日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

カテゴリー〈 展示会・イベント 〉

故宮博物館。
有名な品々はありますが、金属のものがこんなにあるとは思っておらず
その迫力に引き込まれ、時間を忘れての拝見となりました。

水を受ける器。
祭事の際に使われ、龍の文様が大切であり、貴重なものとしての存在感があります。

何かに刺して、使う祭器でしょうか。

甲冑も銅製。日本でも芸能のカツラの下地には、銅が。

水を貯めておくための器。

水を注ぐための器。

こちらも、水を注ぐために。取っ手の意匠が面白いです。

こちらも、注器でしょうか。
象嵌などの意匠が素晴らしい。
何千年も前の器の技術の高さを感じます。

もう語ることもなく、ひとつひとつの力強さを感じます。
そして、このような、行政的に使うような器も考えられています。

小さくて細かい細工のものも。

印も、整理されて残っています。

2500年前の楽器。
論語とゆう書物を座右としていますが、その当時2500年前に奏でられていた楽器を目の前に。当時の孔子も聞かれていたのかと思うと、感慨深いものがあります。

武具にも、象嵌や彫り物がしてあり、その当時の貴重さを感じさせてくれます。

有名な、翡翠の作品も見て、台北市内へと戻ります。
こちらの周遊バスは、オススメですので、台北旅行の際には、是非。

駅近で、牛肉のラーメンをすすり。猪の肉やネギの焼き物を食べ、二日目の台北の夜も更けてゆきました。
いよいよ、明日は、個展と銅鍋づくり体験の始まりです。

この度は、時食商行さんのご招待で
台湾での個展と銅鍋づくり体験会を開催させていただきました。
初めての台湾で、初めての個展、初めての銅鍋づくり体験会と
初めて尽くしでしたが、無事に多くの方に鎚起銅器に触れていただき
私自身、とても学びの多い旅となりました。
その報告と共に、旅の模様をお伝えしたいと思います。

東京での打ち合わせを終えて、羽田空港から台湾へ。
松山空港へは3時間ほどの旅、とても身近な国と感じます。

台湾松山空港へ着いたら、烏龍茶で一服。
初めての現地の方とのやりとりを、無事に終わらせるとほっとします。
台湾についての初めてのご飯は、空港内でタイ料理。

台湾は、公共交通機関の物価が安く、タクシーなども身近な乗り物として、活用されているようです。
松山空港から、タクシーで行天宮近くの、時食商行さんへ。

明後日からの展示会に向けて、様々に準備を整えてくださっておりました。
大きなポスターや、ポストカードなども印刷してくださり。
銅鍋づくり体験の木の台なども、用意してくださいました。
このように、様々なご準備をしていただいたお陰で、初めての海外体験会も開催できる運びとなりました。

時食商行さんでは、日本の作家さんの器を、取り扱いされており、全国各地多岐にわたる器や日本のものづくりが展示されていました。
普段は錦小路としてカフェもされており、日本の美味しい珈琲とケーキやランチで、賑わってられました。このくるみのようで、更に深い味わいのナッツがとても美味しく珈琲と良く合いました。
この日は、早朝からの移動のため、早目にホテルへ。
途中の新光三越の地下で、台湾らしい定食をいただきつつ、台北の夜は更けてゆきます。

そして、二日目は鋭気を養うために、観光へ。

台湾のご飯は美味しいと聞いていましたが、朝のホテルのビュッフェから、美味しい時間が始まります。

故宮博物館に向かうには、地下鉄などでもゆけますが、調べてみると二階建ての周遊型の観光バスがあるとのことで、そのバスにチャレンジ。
今は、インターネットで、様々な情報が載っていて、助かります。
流石は南国。
照りつける太陽に、日陰が無いと流石に頭が火照ります。

北京駅から出発し、市内の門を巡り、先ずは圓山大飯店へ。

故宮博物館に到着。
市内からは、車で40分ほど離れた場所にあり、多くの観光客のみなさんが、訪れられていました。

日本とも、因縁の深い台湾。
大陸の文化の一端が、ここでもじっくりと感じられます。
金属の仏像のお顔に、初っ端から見入ることとなりました。

70万点近くを収蔵する、この博物館。
展示されているものだけでも、かなりの見応えがあります。

陶器に始まり、様々な素材の精巧なもの達。
足が止まり、じっくりと見入る場面が多々ありましたが、3階に上がると、ここからが本番でした。
故宮博物館 金属編へと続きます。

問 tou OPEN

2019.04.19

昨日、4月18日木曜に
長野県東御市にOPENした問 tou
同じく東御市にあるパンと日用品のお店わざわざの次のお店。
店主の平田はる香さんとは
地元燕市のツバメコーヒーでのトークイベントで、数年前にお会いし
度々、そのイベントに参加させてもらっていました。
あまりにも、トークに感動し、カップを贈り物にさせてもらったのが
ご縁の始まりかもしれません。

それから、イベントでお会いするくらいでしたが
今回の新店舗にはギャラリー機能も持たせたいとのことで
私にもお声がけいただきました。

お盆や豆皿、カップとともに
カフェで使われる湯沸もつくって欲しいとオーダーいただき
沖縄のパナリ焼と言われる焼き物の雰囲気を、銅器でだしてほしいとのことで
他はお任せでと。
完成品は、このような形に。
30リットルは入る突き抜けて
今までに無い形をつくらせてもらう機会となりました。
このように仕事をいただくことで
新しい技術も身体に染み込ませることができます。

始まりは、1ミリ70センチの銅板から。

普段は、440グラムほどの金鎚を使い形を作ってゆきますが、今回は880グラムとゆう重めの金鎚で製作。
未知の世界への挑戦となりました。
今回は、動画を撮りましたので、長いですが本当にお時間のあるときにご覧いただけたら幸いです。

今回は、カフェ、本、ギャラリーと
非日常をじっくり楽しめる空間が出来上がっています。
そして、店名に掲げてあるようにお客様が問われる
そんな時間にもなることでしょう。
コーヒーは、ツバメコーヒー店主が考案した「問 touブレンド」
試飲させてもらった際にも、そのブレンドの仕方が彼らしく
面白く美味しい深みのある味でした。

大自然に囲まれた問 tou。
是非、時間に縛られることなく、ゆっくりと過ごし
日々に、感じられない何かを感じていただけたら幸いです。
ご来場を心より楽しみにしております。

3月の睦月晦日。
新潟市のワインバーピノとグリさんのお祝いの席でお会いした
渡辺鍛造所社長 渡辺嘉治さんの工場へ見学に寄せていただきました。
長岡市に在る渡辺鍛造所さんは、昭和12年よりの創業
当初より、工作機械の部品を製造されていたとのことで
今も、同じく工作機械の部品を製造され続けている歴史のある工場。

鍛造とは、金属に圧力をかけ、鍛え強度を出すための技法で
刀や甲冑などにも、鍛造とゆう方法がとられています。
鋳造とゆう、金属を溶かして流し込む方法は、気泡ができますが、この鍛造ですと、その気泡を潰し、強い部品をつくれるとのこと。
この鍛造機は300トンの力を持ち、何人もの手で部品が作られてゆきます。

こちらの筒状のものが、材料。

このようなリフトを操り、熱しつつ、圧力をかけてゆきます。

精密さが要求される、工作部品の一部。
南極観測隊のキャタピラーなどの部品も作られているとのこと。

こちらは、溶断の設備。
鎚起銅器の道具も、以前は鍛造してつくるものが多かったですが、今ですとこのような溶断の方法で製作することも可能のようです。

様々な、手作りの道具。
やはり、職人の道具は、手作りでその作業にあったものをつくるのが、基本ですね。

こちらは、丸い穴を叩いて六角にした部品。
削るのではなく、叩くことで、何度使っても耐えうるものになるとか。

同じ金属でも、様々な製作方法があります。
鍛造、鋳造、板金、彫金、鍛金などなど。
金属加工の集中する燕三条でも、エアハンマーなどを使い、包丁などをつくる作業は見たことがありましたが、このような大きな鍛造を見たことはありませんでした。
日本各地から注文がくる、渡辺鍛造所さん。
ワインが繋げてくれるご縁が、このように深めさせてもらえることを、とても嬉しく思います。
そして、新しい視点を与えてくれる、学びの時間ともなります。

製法は違っても、職人としての姿勢や空間を拝見し、改めて褌を締め直し、明日からの仕事にかかろうと思います。
この度も、ありがとうございました。

先ほど、upさせてもらった
金沢美術工芸大学卒業展に引き続き。
自分なりに金沢で考えたことを。

この街には、西田幾多郎さん、鈴木大拙さんとゆう
二人の哲学者を同時代に生み出した土壌があり
それに連動するのかどうか
工藝としての歴史も、その土壌として長年培われています。

そんな土壌で
ものづくりについて考えてみました。
私たちの世代には、もうものが溢れていて
金属の世界においても古道具よりも技術的に高いものは
なかなか生み出す現代ではないように思います。
そんなものに溢れた世界でも
私たちは何故ものをつくるのか?
その問いかけを持ちつつ、ものづくりに励めるかどうか?は
ひとつの矜持としてあるなと思うのです。

つくることが当たり前ではない世の中で
器を生み出したい欲求にかられる私。
そして、先の問いは自分の足元すら掬いかねない
危険な問いでもあるなと。

そして
工藝と言われるものと工業と言われるものの違い。
どちらも否定されるものではない中で
私は、工藝は空海、工業は最澄であると考えます。
どちらも自分を鍛えつつ、どちらの方向に進むかで見方は違ってきますが
私たち自身が、その流れに乗っていて、どちらに進むにも矜持を持ち続けることができるのか、とゆうこと。
自分の作りたいものとお客様に求められるものの、リズムをどうとるのか。
私は、私のリズムを守りつつ製作を続けたいと思います。
また、 より多くの方のリズム要請に応えるものづくりもあるでしょう。

柳宗悦が、晩年「南無阿弥陀仏」を執筆したように
彼の批評家としての精神は、より多くの方に届ける方向に進んだのでしょう。
果たして、ものを実際につくる私たちが、現代どちらに向かうのか。

それも日本の歴史。
そこに育まれた私。

これらかの歴史が、楽しみでもある要因のひとつ。
私のつくった器が、100年後、200年後もアンティークとして
誰かに使ってもらいたいとゆう願いを持ちながら製作しています。
そんな願いを共有できる方々との出会いもさせていただくことができました。

この金沢の旅のご縁をいただいた仲間
BarBookBox junさんの心からの感謝の念を持ちつつ
また、この経験に応えられるように、新潟で励みたいと思います。

BarBookBox
火曜〜土曜
18時30分から21時30分
詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.facebook.com/bbb.barbookbox/

この週頭に、金沢に伺い
金沢美術工芸大学卒業展を拝見してきました。
目的は、大学院生の水島美優さんの卒業展示を拝見すること。

水島さんとは、昨年の燕三条工場の祭典の際に出会い
ツバメコーヒー店主との共作である、鏡餅の設えや
三条のヤマトキ製作所さんの五徳をリデザインし作ったスタンドに合うドリッパーづくり。

また、その後のご縁が深まり
銅鍋づくり体験のパンフレットづくりなどをお願いし
それらの成果物としてのものの展示。

私自身、若い世代の方々との交流を通して、新しい視点や自分の立場とゆうものを感じました。
その世界との関係性の中で、私らしくシンプルにものづくりに励もう
と思う金沢での旅でした。

初めてじっくりと金沢らしい金沢への旅となりました。
この街の持つ文化がどのように育まれたのかを、地元に住むみなさんに聞きながら、これからの日本を考えつつ、自分を考える時間。

また、金沢で学び新潟へ帰ってくる、水島さんの活躍を楽しみに、私も精進いたします。


2017年は、職人として20年、独立して10年の節目の年として
7月に新潟県秋葉区 三方舎様の個展に始り
8月 福島県猪苗代 Roots shop様
9月 群馬県前橋市AVANTI様
10月 新潟県燕市 ツバメコーヒー様でと
4会場で個展を開催させていただきました。

その旅の想い出を振り返りながら
写真と共に。

2017年は
銅鍋づくり体験西日本ツアーとして、11月23日木曜から12月3日まで
倉敷に始り、岡山、大三島、尾道、笠岡、博多、奈良と巡らせていただきました。

西日本での銅鍋づくり体験は、初めての出張。
各会場、西日本の暖かな気候で
あたたかな皆様にお招き頂き
多くの銅鍋を生み出す事が出来ました

岡山での銅鍋づくり風景。

瀬戸大橋を渡り、四国へ渡り
香川県、愛媛県と
またご縁を繋いでいただきました

尾道では、気持ちの良い公園で、紅葉に囲まれながら
芝生の上での製作になりました。

福岡会場では、二日間に渡り開催。
主催のミヤムの恋するcooking 宮村様には
一日目に作った銅鍋で
二日目の美味しいカレーランチを作っていただきました。
スパイスを炒める際には、熱の火加減の調整に直ぐ反応してくれる銅鍋が良いとの乾燥を頂きました。

しまなみ海道から、フェリーに乗り今治へ。
この旅では、瀬戸内海の島々も渡り歩き渡らせていただき
この地方の風景をいっぱいに感じる事ができました。

九州、山陽から一路関西へ。
奈良会場では、茶畑の横の広場が会場に。
参加者さんのその後の様子は
こちらのFacebookページに。
鎚起銅器てづくり銅鍋愛好会

みなさんの活用いただいている模様がご覧頂けます。
各会場、反響をいただき、また今年も寄せていただく機会ができそうです。
その際、ご縁のあるみなさん、また一枚の銅板から生み出される銅鍋の感触を
一緒に味わっていただけたら幸いです。

今年も春から、東京、愛知、岐阜、山梨、広島、福岡と
お声がけいただいております。
各地でお会いできるみなさん、心よりお待ちしております。

出張に出た時の楽しみのひとつに
古道具屋さん巡りがあります。
普段は行けないようなお店。
その土地土地独特の雰囲気があり
その中で資料としての銅の器を探すことが
とてもわくわくする時間。

こちらは、京都のアンティークショップで見つけた銅器。
下には注ぎ口が付いており、上の器で何かをあたためるものでしょうか。

こちらも、同じお店で見つけた「引き出し」。
取っ手の部分も、角の金具もとてもいい仕事をされていると感じます。このような仕事も、京都の歴史を感じるものです。


こちらは、松本市の古道具屋さんで見つけた「燗銅壷」。
いつか
このような燗銅壷も作っていたいと思わせてくれる一品です

古き良きものに触れることで
目が養われ
普段の製作の励みになります。
今年も各地の古道具屋さん巡り
楽しみたいと思います。