鏨の種類
私は、形を製作する鎚起と共に、表面に模様を施す彫金技術も学ばせていただきました。鎚起技術は玉川堂で、彫金技術は燕市内の彫金師 長谷川清師匠のところで。
師匠とはありがたいもので、修行時代は厳しく指導いただきましたが、独立してからは事あるごとに心配してくださり、私が訪ねることを待ってくださっていて。伺えばお茶を出しいろんな話をしてくださいます。その話の中、ふとした時に技術的に重要なことも出てきます。
昨日も、師匠が先輩から最近いただいたとゆう鏨を見せてくださり。その先輩とは100歳前くらいとのことですが、スプーンやフォークに文字彫りをされていた彫金師の方。
鏨を研ぐことを、私たちは刃を付けるといいますが、師匠もそのもらった刃付けの微細さを初めて見て驚いたとのこと。
当然ながら私も初めて拝見し、その微細さを更に微細にしたと表現したいような刃付けに、この鏨の資料的価値を感じました。
22年前に初めて師匠に教えていただいた時のメモ紙を取り出し、来年は各種資料整理も課題のひとつだと実感します。
燕市には、大別して工藝彫金とスプーンやフォークなどの型彫り彫金と2つの流れがありますが、師匠はその両方の知見を持っていられる方。貴重な話を来年も焼き付けておきたいと思います。