日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

カテゴリー〈 製作 〉

ミルクパンや片口など、鎚起銅器で製作する注器は、金属特有の材料の薄さがあるため、水切れがよいと言われています。

その製作工程を、今回はお伝えします。
まずは、口を打ち出す目安を鉛筆で描きます。

その後、6種類の金鎚と木槌を使い、打ち出してゆきます。

とてもシンプルな作業ですが、口のくびれ角度や大きさなども、それぞれの職人の個性が出る作業です。

鎚起銅器の技術が詰まっている湯沸。
その中でも「口をどのように本体に付けているのか?」とゆうご質問をお聞きします。
そこで、今日は口がどのように本体に付いているのかをお伝えします。

まずは、本体が完成し、取っ手を付けるための耳を取り付けます。

その後、作っておいた口に合わせて、本体に穴を開け、鋏で切り出し、鑢でぴったりと擦り合わせます。

このように嵌め込んだ後に、200度程で溶ける錫とゆう金属を回し込んで、目止めします。

これで、完成。
空焚きをして錫が溶けない限り、半永久的に持続します。

この度、群馬の陶芸家 はるな陶芸工房 りらさんの依頼を受けて、急須の真鍮の取っ手をつくらせていただきました。
この急須は、3月1日から7日まで開催される。手紙社さんのオンラインフェステイバル 紙博&陶博に向けての製作。
私も陶器の取っ手を作らせてもらうのは初めてのことで、試作や話し合いを重ね、新しい世界を感じる製作となりました。

銅器では、取っ手にバネを効かせて、倒れないようにしたい。とゆう基本がありますが、それでは、陶器には擦れが出てしまう。
また、仕舞うときには取っ手が寝ていた方がよい。
などなど、銅器では当然としていたようなことが、陶器では通じない世界。
やりとりを重ねる中で、陶器の性質や使い勝手なども聞けて、私の世界も広がりました。

昨年に二人展を行い、普段のやりとりも通して、信頼できる作家さんだからできる共作。
是非、こちらの陶博のりらさんのページもご覧いただけたら幸いです。
りらさんの陶器は、触れてみることで、その使い勝手を深く考えてくれていると感じられる器。
そして、生活の中に取り込むことで、楽しさを添えてくれる器だと感じます。
より多くの方に触れていただけたら幸いです。