日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

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先日、金子建築事務所 金子勉さんにご指導を受け、蕎麦打ちを体験させてもらいました。
金子さんのご自宅は平屋建てで、季節を楽しみ、生活を楽しんでおられる様子が実感として身体に沁みてくるお宅。そのように暮らしている方からのお誘いは是非にと足を運ばせてもらいました。

蕎麦粉をじっくりと見るのも初めてで、このような挽き方の違い。その素材の違いが直接的に感じられるものなのだろうだなと、今まで食べた蕎麦を思い返しつつ、作業が始まります。

まずは、蕎麦粉をこね鉢の中に入れて、水とよく混ぜ合わせる。お湯が均等に粉と混ぜ合わせることがこつとか。
今回は、十割蕎麦で、粉500gに対して、お湯は250cc程。
お湯を3度位に分けて徐々に混ぜ合わせる。
最初は白っぽかった蕎麦粉も、段々と色がついてきて、水分の為に塊になりやすいようです。

水分が全体に行き割ったって、ちょうど良い硬さになったら塊にして、陶芸の菊練りのように捏ね上げ、最後には丸くする。

 今回は、お二人とご一緒させてもらったので、どんな工程で進むのか見学ができ、流れを把握できました。
そして、いざ。

塊になったら、それを板の上で平にし、手である程度の平にした後、めん棒でのしはじめます。このめん棒との呼吸をどう合わせるのか、集中しどころであり、無心に向き合う心地よい時間。 

均等に伸ばせたと感じられたところで、切り分ける。
このやり直しの効かない作業は、包丁とガイドと自分と三位一体のリズム。勘所をつかむまでに、どれだけの経験を積むのだろうと感じますが。
不揃いながら愛しい蕎麦ができあがりました。

精魂込めた蕎麦を茹でてもらい、日本酒と共に一献。
至福の時を過ごさせてもらいました。
そして、銅鍋づくり体験に参加してくださるみなさんの心持ちの一端を感じた思いです。
このような貴重な経験にお声がけくださった金子さん。ご指導をありがとうございました。そして、ご夫妻の心温まる時間をいつもありがとうございます。

そういえばと書棚から取り出してみた2冊の本。立春は過ぎたもののまだまだ寒い新潟。冬の季節に冷えるのは身体の中でも冷えに弱い臓器は腎臓。そして
身体を温めてくれるのは蕎麦だったなと。蕎麦は身体の芯からあたためてくれるとのこと。
陰陽五行的な学びを思い返しました。
休日の気分転換の手仕事してお酒好きの身体の養生としてまた蕎麦打ちをしてみたいと思う1日となりました。

鎚起銅器といえば、この色。と言われるくらいに代表的な色として広まっている金古色。なんと表現していいのか、光の当たり加減で青色にも緑色にも見える、所謂ところの玉虫色。
この色を出すためには下地づくりが大切で、錫の焼き加減が重要になってきます。
私は、表札にしか金古色を使っていませんが、このような下処理や道具の整備を今年は行ってゆきたいと思い、ひとつひとつ整理してゆきます。
金古色の見本は、このような色合いです。

金古色下処理。
まずは、材料を切り出し、錫を塗る。
この時点では、普段作っている盆などの月色表面処理と同じ工程。

この後が重要となり、月色の場合はバーナーのみで銅板に錫を焼き付けますが、金古色の場合は炭の上で焼き付けます。
私の考えでは、この炭素が重要と考えます。
大きな銅器屋さんでは、コークス炉があり炭ではなくコークスで焼き付けます。
高温が必要とゆう面もありますが、刀鍛冶がワラ灰を使うと聞きますが、そのような原子同士が溶着する際に必要なものなのかもしれません。

こちらの四角い七輪は、能登切り出し七輪。
良き道具は、気持ちよく仕事をさせてくれます。
詳しくは、こちらの過去blogをご覧ください。
「奥能登旅 七輪編」
https://tsuiki-oohashi.com/2020/09/12/4135/

焼き付けた後の図。

この時点でも、大体の成功具合はわかりますが、やはり綺麗にしてみるまでは、確信をもてません。
酸化膜を落とし、綺麗に磨いたらすっきり。これで表札の製作に実製作にはいれます。
表札製作の部分につきましては、こちらのblogにてご覧ください。
https://tsuiki-oohashi.com/2019/01/06/2347/

今年は腰を落ち着けて、様々なことを試し、このような探求を進めてゆきます。

今日は、グレゴリオ暦では2月1日。
日本で多く使われていた太陰暦では1つ目の月である睦月新月の始まりの日です。とゆうことは、新年を迎える日でもあります。
太陰暦という位なので、月のリズムで定められた暦。
月の始まりの1日のことを「ついたち」と言いますが、その語源は「つきたち」→「月立ち」から転じたとか。このように日本語の中にも知らず知らずに親しまれている月のリズムは、身体のリズムとも合うような気がします。
2022年今年の目標のひとつは、しっかりと休むこと。
鎚起銅器職人大橋保隆では、新月と満月を定休日としています。
本日はお休みをいただき、生活を整える1日。

そんな始まるの日に、月の暦を教えてくれた冨田貴史さんのことをお伝えします。
冨田貴史さんと出会ったのは、2012年くらいだったでしょうか。
彼は暦の話や養生の話、手仕事の話など、環境や生き方にまつわるお話し会を各地で日本開催されてました。
環境活動をしていた私は、2006年からお名前を知っていましたが、お会いするのは初めて。しかし、その当時の風貌や雰囲気が似ていることや、手仕事と環境のこと、また保養の活動をしていることなどの共通点があり、親交を深めさせてもらっています。

彼は今、大阪市中津の商店街で、冨貴工房というアトリエを持ち、植物の染め物づくりやみそづくり、執筆活動を生業としています。
この太陰暦新年に合わせて発刊した冨貴書房「暦のススメ 月編」をみなさんにお伝えしたいと思います。詳しくは、冨田さんのHPをご覧ください。
月の意味、地球と太陽と月の関係性、それらが私たちに与える影響など、とてもわかりやすく書かれています。
是非、この本を手にとっていただき、ご自身の感じたことも書き込みながら、月のリズムや太陽のリズムを感じ、自分の身体と向き合いながら、生活を営んでいただけたらと思います。
私が鎚起銅器職人と共に進めている生活手仕事研究所では、こちらの本を販売しております。

冨田さんは、今まで4冊の本を出版しており、私がお勧めしている本「ウランとみそ汁」と共に、以下のいずれかもう1冊をお買い上げいただいた方には、送料を無料でお送りします。
「暦のススメ 月編+ウランとみそ汁」
「いのちとみそ+ウランとみそ汁」
など、mailにてお申し付けください。
今日からの新しい一年をお祝いしたキャンペーンとして、睦月の晦日である3月2日まで。

いのちとみそ 550円
ウランとみそ汁 550円
暦のススメ 太陽編 880円
暦のススメ 月編 880円

合わせて、もうひとつの手仕事、茜染の品も生活手仕事研究所では取り扱いしております。
大橋の感想としては、茜染アイマスクはスッキリと起きられますし、茜染の肌着をつけているとあたたかさを感じます。
こちらの染物もアイマスク、ソックス、風呂敷など、各種取り揃えておりますのでご連絡ください。

自然の中の一部である私たちの身体の声を聴きながら、仕事と生活のバランスをとり営みを続けてゆきたいと思いますので、この一年もどうぞよろしくお願い致します。