日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

カテゴリー〈 製作 〉

昨年、移転リニューアルされた
新潟市中央区東堀通9番町にある、「吟」様。
お店を新しくされる際に、看板作りをさせていただきました。
その看板製作の模様をお伝えさせていただきます。

まずは、材料の切り出しから。
折り返しも分もあり、6分ほど大きめに切り出します。

焼き鈍しをし、柔くしします。
その後に、錫を平らに塗り、バーナーで焼き付けます。

裏面に、反転したロゴをなぞり、写し取ります。

松ヤニとゆう道具は、温めると柔らかくなり、冷めると硬くなるとゆう性質があり、看板製作などの打ち出しの場合は、コンロの上であたためては、彫り込むことを繰り返します。

徐々に、徐々にと輪郭を取ってゆきながら、全体に落とし込んでゆきます。


松ヤニから外し、灯油で綺麗にした図。
これから、表面を整えてゆきます。

松ヤニから外した図。
これだけを見ると型があるように思われますが、全て、手の感覚で打ち込みます。

この後に、四方を織り込み、奥行きをつけて、仕上げをしたら完成。
入り口右側の壁面へと、取り付けさせていただきました。
是非、実際の姿をご覧いただけたら幸いです。

お料理に合わせて、熱燗を選んでいただき、そのハーモニーを楽しませていただいています。
締めは、蕎麦で。
新潟を代表する、和のお店です。

「吟」
〒951-8065 新潟市中央区東堀通9番町 1402-2イーストモート1
月~土 17:00~23:00(L.O.22:00)
日・祝日 15:00~22:00(L.O.21:00)
不定休

先ほど、upさせてもらった
金沢美術工芸大学卒業展に引き続き。
自分なりに金沢で考えたことを。

この街には、西田幾多郎さん、鈴木大拙さんとゆう
二人の哲学者を同時代に生み出した土壌があり
それに連動するのかどうか
工藝としての歴史も、その土壌として長年培われています。

そんな土壌で
ものづくりについて考えてみました。
私たちの世代には、もうものが溢れていて
金属の世界においても古道具よりも技術的に高いものは
なかなか生み出す現代ではないように思います。
そんなものに溢れた世界でも
私たちは何故ものをつくるのか?
その問いかけを持ちつつ、ものづくりに励めるかどうか?は
ひとつの矜持としてあるなと思うのです。

つくることが当たり前ではない世の中で
器を生み出したい欲求にかられる私。
そして、先の問いは自分の足元すら掬いかねない
危険な問いでもあるなと。

そして
工藝と言われるものと工業と言われるものの違い。
どちらも否定されるものではない中で
私は、工藝は空海、工業は最澄であると考えます。
どちらも自分を鍛えつつ、どちらの方向に進むかで見方は違ってきますが
私たち自身が、その流れに乗っていて、どちらに進むにも矜持を持ち続けることができるのか、とゆうこと。
自分の作りたいものとお客様に求められるものの、リズムをどうとるのか。
私は、私のリズムを守りつつ製作を続けたいと思います。
また、 より多くの方のリズム要請に応えるものづくりもあるでしょう。

柳宗悦が、晩年「南無阿弥陀仏」を執筆したように
彼の批評家としての精神は、より多くの方に届ける方向に進んだのでしょう。
果たして、ものを実際につくる私たちが、現代どちらに向かうのか。

それも日本の歴史。
そこに育まれた私。

これらかの歴史が、楽しみでもある要因のひとつ。
私のつくった器が、100年後、200年後もアンティークとして
誰かに使ってもらいたいとゆう願いを持ちながら製作しています。
そんな願いを共有できる方々との出会いもさせていただくことができました。

この金沢の旅のご縁をいただいた仲間
BarBookBox junさんの心からの感謝の念を持ちつつ
また、この経験に応えられるように、新潟で励みたいと思います。

BarBookBox
火曜〜土曜
18時30分から21時30分
詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.facebook.com/bbb.barbookbox/

この週頭に、金沢に伺い
金沢美術工芸大学卒業展を拝見してきました。
目的は、大学院生の水島美優さんの卒業展示を拝見すること。

水島さんとは、昨年の燕三条工場の祭典の際に出会い
ツバメコーヒー店主との共作である、鏡餅の設えや
三条のヤマトキ製作所さんの五徳をリデザインし作ったスタンドに合うドリッパーづくり。

また、その後のご縁が深まり
銅鍋づくり体験のパンフレットづくりなどをお願いし
それらの成果物としてのものの展示。

私自身、若い世代の方々との交流を通して、新しい視点や自分の立場とゆうものを感じました。
その世界との関係性の中で、私らしくシンプルにものづくりに励もう
と思う金沢での旅でした。

初めてじっくりと金沢らしい金沢への旅となりました。
この街の持つ文化がどのように育まれたのかを、地元に住むみなさんに聞きながら、これからの日本を考えつつ、自分を考える時間。

また、金沢で学び新潟へ帰ってくる、水島さんの活躍を楽しみに、私も精進いたします。

私の地元、新潟県燕市吉田地区。
この街は、工場の多い燕市のベットタウンとして
とても穏やかな空気を持った街です。

私もこの道に入り、玉川堂の近くに移るまでの22年間を、この吉田町で過ごしました。この街で左官業を営んでいる同級生の関川さんに表札のご依頼をいただき、先日、納めさせていただきましたので、その模様をお伝えします。

まずは、材料から。
表札に使う、玉虫色の銅は、紫金色と呼ばれ、錫を焼き付ける際に、味噌などを付けながら焼く、特殊な方法で材料にします。

裏面は、銅のままの材料です。
裏側に、反転させた文字の輪郭を、写し取ります。

松ヤニ台とゆう、あたためると柔らかくなり、冷めると硬くなる性質のある道具を使と、鏨とゆう何十種類もある鉄の棒と、金鎚を使い徐々に、時々、コンロであたためながら彫り込んでゆきます。

裏面の工程が終わり、灯油で綺麗にあらったら、今度は表面から整えるように、軽く鏨で均してゆきます。
整えたら、四方を折り込み、立体にし奥行きを出したら仕上げに入ります。

仕上げは、硫化カリウムとゆう、温泉の硫黄の成分に近いものをお湯に溶き、漬け込んで真っ黒にしてから、磨き上げます。
磨き上げることによって、文字の部分だけが金色に浮かび上がってきます。
緑青硫酸銅の混合液で2、3分煮込んだら定着。
表面にイボタ蝋とうう、純粋な蝋を塗ったら、完成。

玄関の顔として、御宅の成長とともに、表札も風合いが増してきます。
この色は、緑青が出てきて、落ち着いた色がでてきます。

依頼主の関川さんは、左官職人です。
打ち合わせの際に、仕事場に寄せていただきましたが、ご自身で塗られた壁の完璧さに、その腕の磨く修行の凄さを感じました。
このように、同級生で職人として活躍されている姿に励まされ、私も更に更に精進する励みとなりました。
記念の表札として、心に刻みたいと思います。

昔ながらの技術には、理由があります。
生活を豊かに過ごすための塗り壁。
私も、いつか家を建てる時には、この壁でと、目標ができました。
是非、関川さんのHPも素晴らしいので、ご覧いただけたら幸いです。

関川左官工業 HP
http://sekikawasyagan.com/sekikawa.html

先年の燕三条 工場の祭典に向けて
ツバメコーヒー店主との鏡餅製作会合で出会った
金沢美術工芸大学 大学院生の水島美優さん。
水島さんには、鏡餅の設えを担当していただきました。

また、水島さんがデザインされた (株)ヤマトキ製作所さん製作の
鉄で組み合わせる台座に合うような銅器のドリッパーづくりなどにも参加させていただき、ご縁が深まりました。

そんなご縁の中、この修了制作に合わせ
銅鍋づくり体験の際に参加者さんに、一日の流れをご理解いただけるようなパンフレットをお願いしました。
実際に工房に足を運んでいただき、水島さん自身に銅鍋づくりを体験していただき、その中で生まれた銅鍋の利点や製作上の疑問、そんなものをひとつひとつ積み上げながら、形になったパンフレットです。
シンプルに整理されながら、愛嬌のあるパンフレットに仕上がったと感じます。

それらの製作物の展示が、下記、日程で開催されます。
大学院生と燕三条のものづくりとの共作
是非、実物を金沢でご覧いただけたら幸いに思います。

会 期:平成31年2月14日(木)~2月19日(火)
時 間:10:00~18:00(最終日は17:00まで)
会 場:金沢21世紀美術館 市民ギャラリー

湯沸の蓋も一枚の板から出来上がります。
本体に合わせ、少しずつの擦り合わせ。
鍔をだしたりとゆうところが、この蓋づくりの醍醐味です。

先ずは、いつも通りに、板を切り出し
打ち上げてゆきます。

先につくった湯沸の本体に合わせて、だいたい同じ位の大きさになったら
鍔を出してゆきます。

徐々に徐々に。
湯沸かし本体とのバランスを見ながら、鍔の出方を調整してゆきます。

丸みを整えて、完成。
手順としてはシンプルですが、この擦り合わせに要する時間は多く
経験がものをゆう作業となります。
先日の、湯沸の口作りのblogなどの小道具と言われるパーツを組み合わせ湯沸は出来上がってゆきます。
小道具のバランスで、その職人の特徴がでる湯沸。
生活での使い勝手も含め、1番のオススメの銅器です。

先日
お客様のご注文で銅のぐい呑に
銀メッキや金メッキを施すそんな器を作らせていただきました。
初めてのことで様々な勉強が必要でしたが
仕上げてみると今までの錫を手でメッキしていたものと違い
電気メッキの処理でぴったりと全体に塗膜ができているようです。

手での錫メッキですと、細かい気泡ができており
銅の効果も表に現れると言われています。

変わりに、この電気デッキですと、銅特有の香りが気になる方や
お酒の味が変わることを好まれないお客様には
こちらをお勧めしたいと思います。

銅の素材感や鎚目、肌触りなどはそのままに
それぞれの役割で、特徴をお伝えしながら選んでいたける
またひとつ幅が広がりました。

この様に、今年は基本的な鎚起銅器の技術を大切にしながら
今までの鎚起銅器の枠にとらわれずに
様々に素材との対話や新しい技術を取り込んでゆきたいと思います。

先日、新潟市の観光名所のひとつピア万代に店舗を構える
Deli&restaurant piatto giorniさんのイベント
夜ジョルニの鍋コースに参加させていただきました。

1日1組限定の鍋コースは
地元の食材をふんだんに使ったあたか鍋。
先ずは、前菜のデリの三点盛りから
新潟県で醸造される胎内ワインと共に。

こちらの銅鍋は、先年ジョルニさんで企画してもらった
銅鍋づくり体験の際に生まれた鍋で
ご自身でつくられた鍋で、ふるまわれる料理は
なんて素敵なんだろうと感じる次第です。

その鍋にたくさん並べられた
豊栄の宮尾農園さんの平飼い鶏のつくねは優しい味わい。
出汁も効いてます。
そして、新潟の地元野菜を投入。
初体験の松山揚げが、口の中でとろけて、衝撃的な食感でした。

締めには、新潟県田上町のふなくぼ農園さんの米麺。
この日、ご一緒した船久保さん。
スーパーマーケットから転職し、就農されて志の高い方で
とても優しく農業を営まれています。

パクチーや、オリーブオイル、黒胡椒など
いろんな味わいに挑戦でき、締めも楽しいひとときとなりました。

今回の鍋コースで、銅鍋の火のまわる速さや、温度の復帰の早さ。
素材の旨味を引き出してくれることを実感することで
今年も各地に伺い、てづくり銅鍋を広めるためのエネルギーをいただきました。

3月から、東京を皮切りに、福岡、広島、愛知、岐阜、山梨、兵庫と
各地に伺わせていただきます。
そんなご報告も、このblogでupしてゆきますので、チェックしていただけたら幸いです。

ジョルニさん、この度は素敵な企画
心も身体もあったまりご馳走様でした。

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2月2日土曜、3日日曜と
新潟市にあるDekky401さんにて
盃づくりの体験会を開催させていただきました。

日本酒に欠かせない盃。
ご自身の手から生まれた器で、日々の晩酌を楽しんでいただけたらと
時々、呼んでいただく機会がございます。
銅鍋ほど、大きな音がでるわけでもなく、スペーズも2畳ほどもあればできる体験会として、ご好評をいただいております。

また、同時開催として
今回、この企画にお声がけいただいた
地酒の都屋さんが、酒401の陣として出店もされ、地酒の試飲も好評に。

私の器を使っての試飲もあり
鎚起銅器を身近に感じていただく、ありがたい機会となりました。

地酒の都屋様では、実店舗に於いても試飲などあり
地酒の良さを伝えてくださっております。
blogも美味しい新潟情報を伝えてくださっておりますので
是非、ご覧ください。
また、私の製作した鎚起銅器も販売いていただいております。
新潟にお越しの際には、センスの素晴らしい店舗に
足をはこんでいただけたら幸いです。

地酒の都屋
新潟市親松2−3
025-285-0761
https://www.niigata-miyakoya.jp/