日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

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2024年4月4日の本日は、二十四節気の晴明。
山川草木、全ての生き物が生き生きと輝くような季節となりますが、そんなタイミングで、本が発売となりました。
『CULTIVATE BIBLE』正義と微笑と60人のカルチベイト考
太宰治の「正義の微笑」のカルチベートから名前をいただき、株式会社カルチベイトを創立したのが2年前。
また、鎚起銅器の本「俗物」の名前も、「正義と微笑」に出てくる言葉としてタイトルにさせてもらい、贅を尽くして本をつくりあげました。
この度は、カルチベイトを題材に、60名のみなさんに「あなたにとってのカルチベイトとは?」と問いかけさせていただき、800文字から1500文字の文章をよせていただき、聖書サイズの上製本として形にしました。
バイブルとは、長年にわたり、何度も読み返してもらえるようにとの願いを込めて。60名それぞれの視点が、興味深くカルチベイトを浮かび上がらせてくれます。

普段は鎚起銅器製作を生業としていますが、本づくりにも通ずるところがあります。一般の出版社でないだけに、鎚起銅器の会社としての通ずる想いを、この「CULTIVETE BIBLE」でも感じていただけると思います。
詳細は、こちらのインスタグラムをご覧ください
5月4日までは、送料無料で発送させていただきます。この本が津々浦々のみなさんに届くことを願います。

『CULTIVATE BIBLE』
正義と微笑と60人のカルチベイト考
価格:4,400円(税込)
仕様:B6縦変形・上製本・378ページ
発売: 2024年4月4日
発行:大橋保隆 
編集:田中辰幸 
   佐藤裕美
造本デザイン:髙橋徹 
本文デザイン:會田大輝
似顔絵:あんも 

日記日付:熊木英仁
印刷:藤原印刷株式会社 

60人のカルチベイト考
赤木明登 「もういちど能登を耕す」
阿部ふく子「観念の鍬」
荒木優太「遊牧民の歴史」
石川初 「私にとってのカルチベイト」
井上経久「カルチベイトについて」
岩浪陸 「カルチベイトされた自己とは」
内沼晋太郎 「本の循環」
宇野友恵 「アイドルという前提」
江口広哲 「外に身を置く」
エフスタイル「耕されたその先に」
江部拓弥「背中合わせのブルー」
遠藤麻理「肥沃な土壌にミミズはいます」
大倉宏 「耕すことと耕さないこと」
大竹啓五 「宿を耕す」
大橋保隆 「エゴイストが砂金をつかむとき」
小倉ヒラク 「文化を培養する」
小笹教恵 「いくつもの扉」
華雪 「ことばでかたちづくられる〈わたし〉」
金森穣 「皮膚、そして客体のカルチベート」
唐澤頼充 「社会を耕すということ」
川原伸晃 「耕すのは「正しい」のか?」
岸本達也「私のカルチベイト」
木村衣有子 「桃と女友達」
鞍田崇 『「取って読め」的な』
くろかわ美樹 「ほぐされた世界を見るために」
コイズミアヤ 「私を重ねる土地」
合田大智 「あなたがいて私がいる」
齋藤正行 「老成せざる愚かさこそ」
迫一成 「日常を楽しもう」
佐藤靖久 「オーソプラクシーの庭」
佐藤雄一「適当にこなしてきた」
左藤玲朗 「一度も耕したことがない」
塩原典子 「敬い、感謝し、礼をすること」
塩原悠一郎 「畑から海、そして自分へ」
白鳥みのり 「我が家」
菅井悟郎 「自分に還る」
菅野康晴 「たんぽぽの種」
菅原武男「酒場が好きな人だけが知っているいくつかのこと」
鈴木誉也 「文化耕作」
高木崇雄「勇気を支えるもの」
髙橋徹 「父と馬小屋の彼とキン肉マン」
辻山良雄「真の〈金〉とは」
富井貴志 「三人の子供たちへ」
豊島淳子 「知らないを知る」
長友心平 「耕す人」
中村潤爾 「関係性をカルチベイトする」
長谷川祐輔 「予め定まらないもの」
早坂大輔 「子どもは人類の父である」
深海寛子 「土の中から」
藤本和剛 「本分への冒険」
藤本智士 「小林一三の再耕」
船久保栄彦 「スタートライン」
細貝太伊朗 「家鴨の雛」
堀部篤史 「本の詰まった段ボールよりも、もっともっと重いもの」
宮崎清也 「私がご説明いたします」
モリテツヤ 「耕起という情熱、不耕起という祈り」
矢部佳宏 「わたしにとってのカルチベート」
山倉あゆみ 「あの子は頭が悪いから」
横田文男「モンゴル草原とカルチベイト」
吉田翔 「耕す情」
綿野恵太「批評的なごみ掃除に向かって」

前日のベトナム料理教室に引き続き、日曜は、銅鍋料理教室を2つ。
昼は、スパイスカレー教室。夜は、ラム料理教室を開催しました。
先ずは、銅鍋と相性がとっても良いと言われるスパイスカレー教室から。

こちらは、エビカレーの模様。
近所のスーパーで大ぶりで新鮮なエビが買えました。

こちらが、銅鍋が向いているとゆうスパイスたち。
薄い材料を使っており、火を止めたら、すぐに熱の影響をスパイスが受けなくなるので、コントロールがし易いと、宮村さんがお話しされていました。

スパイスとエビの出汁を混ぜわせ、また煮込む。

ベトナムのお米といえばバスマティライス。
こちらも銅鍋で茹で上げます。大きく対流するとともに、吹きこぼれがし難い特徴もあります。鍋の際まで熱が通っているため、吹きこぼれの前に蒸発してしまいます。
バスマティライスは、茹で上げた後にざるの上で、冷まします。このときに、お米が立ち上がってくることも、このお米の特徴とのこと。

続いて付け合わせのキャベツの蒸し焼き。ターメリックで良い色の一品となります。

付け合わせのもう一品は、菜葉を炒めたもの。
銅の特徴として、野菜の色が綺麗に仕上がるとゆうことがあります。炒め物でも、茹でても、鮮やかに仕上がります。特に茄子の紫は、とての良い色となります。

こちらはパインのサラダのような、いくらでも食べられる一品。
次いで、パパドと言われる豆を粉にした薄揚げ煎餅。こちらも、銅鍋でさらりと上がります。

https://www.youtube.com/shorts/R_ED5BKDnNM

最後に、全てを盛り付けたら完成。
何種類ものを具、それぞれを味わったり。混ぜながら味わったりと、食べ方も自由です。
銅鍋を活かし切ったスパイスカレー料理教室。
また、次回も宮村さんに、新潟に来ていただきたいと思う時間でした。

先日、銅鍋づくり体験を通しての企業研修に、神奈川県の企業が「石瀬の家」に来てくださいました。
2泊3日の企業研修。
関東から新幹線で燕三条駅へ。
1日目は、レンタカーでオープンファクトリーを展開している工場を巡り。玉川堂など、この地で育まれたものづくりの歴史を感じてもらう時間を過ごされ。
2日目は、朝から夕方まで銅鍋づくり体験を。普段は金属関係のデザインをされているみなさんが、手を動かすことを通して何か感じてもらう機会になればと、会社として企画されているようです。

10時から15時、みっちりと銅鍋づくりを体験していただきます。
銅板とゆう素材と向き合う時間。一枚の同じ大きさの銅板から、それぞれの形が出来上がってゆきます。その過程の時間を一緒に過ごすことで、同じ窯の飯を食べるような共同体としての何かが育まれるように感じます。

そして、この度の企業研修の特徴は、夜のご飯もご一緒するところ。
今回も燕三条駅前の味覚天国たまやさんをご紹介し、18時から22時過ぎまでじっくりと対話をさせてもらいました。
鎚起銅器のことや、燕三条の歴史と共に
この企業に入った理由とは?
それぞれの美しさとは?
今感じていることは?
企業で働くこととは?
などなど。
同じ企業の方には聞きづらいと思うことも、忌憚なくお聞きする役割として。美味しいご飯やお酒と共に、それぞれの意見を出し合ってもらい、対話は深まってゆきました。
老若男女、同じ企業で働いていたとしても、普段話すこともない方々が、同じ空間でものづくりをし、その達成感のあとに、美味しいご飯と共に語り合う。

こんな時間を今後もつくってゆけえばと考えています。
企業に限らず、ご家族でも、お仲間でも。交流や親交を深める機会になれば幸いです。
ご予算により、宿や食事どころなど、地元の感覚を活かし、ご紹介できますのでお気軽にご相談ください。

銅鍋づくり体験の模様は、こちらから
銅鍋づくり体験についての詳細は、こちらから。
鎚起銅器を通して、集団の風通しがよくなることを、お手伝いをさせていただけたら幸いに思います。

この秋も、滋賀から鹿児島へと銅鍋づくり体験を西日本各地で開催していただくことになりました。
お陰様でこのツアーも福岡に伺い始めてから5年となりました。
今回は、25周年とゆうことで、いつもより多めに巡らせていただきます。
各地での詳細は、FBイベントページでご確認ください。
また、参加者さんがご自身でつくりだした銅鍋でお料理をされているFBグループ 鎚起銅器てづくり銅鍋愛好会もあります。みなさんの楽しんでくださっている模様がとても嬉しいページです。「どんな銅鍋をつくりたいのか?」参考にしていただけたら幸いです。

9月
7日水曜 滋賀 https://www.facebook.com/sachihiraki715
8日木曜 
9日金曜
10日土曜 名古屋 https://www.facebook.com/events/1516596255437474/
11日日曜
12日月曜
13日火曜 移動
14日水曜 移動
15日木曜 福岡 https://www.facebook.com/events/828840861436483
16日金曜 福岡 https://www.facebook.com/events/828840861436483
17日土曜 福岡 https://www.facebook.com/events/828840861436483
18日日曜 移動
19日月曜 熊本 https://www.facebook.com/events/828840861436483
20日火曜 熊本 https://www.facebook.com/events/828840861436483
21日水曜 移動
22日木曜 移動
23日金祝 霧島 満席
24日土曜 霧島 満席
25日日曜 岡山 https://www.facebook.com/events/408396534513050
26日月曜 移動
27日火曜 今治 https://www.facebook.com/events/5777881545607888
28日水曜 大阪 https://www.facebook.com/events/603559017875429
29日木曜 
30日金曜
10月
1日土曜 
2日日曜 堺 https://www.facebook.com/events/758578332035751
3日月曜
4日火曜
5日水曜 滋賀 https://www.facebook.com/events/s/398248529087102/

また日程の空きの日もありますので、ご自身の地元で主催をしてくださる方が居られましたら、お気軽にご連絡ください。
詳細は、以下より。
銅鍋づくり体験の模様https://tsuiki-oohashi.com/2019/07/11/3122/
銅鍋づくり体験についてhttps://tsuiki-oohashi.com/2019/01/13/2361/
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

先日、新潟県新発田市 長徳寺さんで開催された「そうだ 長徳寺 いこう。」のイベントに向けて、真鍮のおりんづくり。
真鍮とゆう素材は、銅と亜鉛を混ぜた素材で、銅8:亜鉛2、銅7:亜鉛3など、その用途によって配合が変わる素材です。また、銅よりも硬く、扱い方によっては割れてしまう素材でもあります。
今回は、久しぶりに真鍮に挑みます。

おりんは、良い音を出すために厚材を使います。普段は0.8ミリから1.2ミリ。暑くても1.5ミリほどの銅材を使いますが、今回は2ミリの真鍮材を。

厚みがあれば、その分、立ち上がりも少なく、徐々に形になります。
製作方法は、銅と同じですが、バーナーで焼きなましをして覚ます際、銅は水に入れて急冷できますが、真鍮は放置して冷ます徐冷させなければ、割れてしまいます。これも合金の面白いところであり、難しいところ。
因みに、小さい真鍮のおりんも作ろうと思いますが、こちらは3ミリの素材で割れてしまいました。

磨いて完成。
こんな音のおりんとなりました。

おりんの棒は、出雲崎のOjn Handmade Hutさんにつくっていただきました。
形や厚みによって違う音色。また機会をつくり、つくってみたいと思います。

鎚起銅器に漆を塗る。
なぜ塗るのか。
普段は、イボタ蝋とゆう、以前は稲架木に干した稲につく虫を生成した、純粋な蝋を塗ります。
ただ、色にある一定の深みを出したい時、表面保護を強くしたい時。そんな時に漆を塗ります。漆を塗るといっても、全体に透明な漆を塗り、そして全部拭き取り、このように釜の中に入れて、焼いて定着させるのです。

木などに塗る、漆と同じものを使いますが、室に入れるわけではなく、焼き付けての定着。

ですので、本格的に漆の色を希望する時には本職の漆職人さんにお願いします。
こちらは、上越市の飯塚直人さんとの共作 イイハシナオタカ。

鎚起銅器の凹凸と漆の陰影が、相互に共鳴します。
このイイハシナオタカ。手に取っていただき、光に透かしみていただけたら幸いです。

小1文集

2020.06.11

2004年の中越沖地震の際に長岡市の震災ボランティアで出会った、東京の絵描き 長友心平さんが私の小学校一年生の時の文集を書き起こししてくださり、最近突然に送っていただきました。
なんとも稚拙で、文字量を増やすために書いていた文章と感じますが、父のことを書いています。
特に、今の仕事がやりたかったわけでも、どうしてもこの仕事ではなければならなかったわけでもなく。
この仕事しかなかっただけ、なのだろうと思う今日。
長友さんへの感謝を込め、ここに書き留めておきたいと思います。

「お父さんの仕事」
ぼくのお父さんは、つばめ市の玉川堂とゆう所につとめています。
その所で作っている物は、ついきどうきとかちゃたくとかです。
ぼくのお父さんが、作っている時は、コツコツコツコツ音がします。
はたく所をまちがえると、それをなおさなければいけません。
でもなおすのには、時かんがかかります。だからしんけんにやってます。
とんかちをとりにいくときも、どれがいいかしんけんです。
みんなの作っているのを見にいっているときは、わらう時もあります。
でも、お父さんは。 「ちゃんとやっているか。」 といいます。
するとみんなは、 「ちゃんとやっています。」 といいます。
でもそれは、トントンゆっている時はあまり、聞こえません。
お昼ごはんの時は、みんながくるので、トントンとゆう音はあまりありません
。だからみんなはゆっくり食べます。
またはじめる時はみんなが作っているのをみます。
だけど、見ない人もいます。
おとうさんは、作りおわると、こしをたたきながら作ったのをまんぞくそうに見ながら、 「やっとできたな。」 といいます。
まちがえなかったからです。
ぼくも、こうゆうゆっくりこつこつやるしごとをやりたいです。

ミルクパンなど、ヒメミズキさんに納品させていただきました。
是非、手に触れていただけたら幸いです。

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今回で、福岡にお招きいただくことも、3回目となりました。
主催は、ミヤムの恋するクッキング 主宰 宮村ゆかりさん。
宮村さんからは、第1回目でmailで、「福岡で開催できませんか?」
と連絡をいただいたのが始まり。
そして、第1回、第2回と重ね
今では、新潟で銅鍋料理教室も開催していただいております。
本当に、どこでご縁が繋がるのか、有難いことです。

今回の、会場は第一日目は、前回も寄せてもらった、市内パンのフルフルさん。
二日目、三日目は、とても心地よい環境の加那川市の三浦工務店さん。
宮村さんのお招きの銅鍋づくり体験は、いつも宮村さんの銅鍋料理ランチ付き。
と共に、ミニ料理教室も開催してくれて、参加のみなさんも銅鍋を使う想像が膨らんでくれるのが特徴です。
また、日々ヘビーユーザーの宮村さんの実感の籠るお話は、私もいつも勉強になります

想像力が膨らんでくれる中で、形も多様に。
そして、初めての参加者さんでも、形になる時間が段々と早くなっているのが、特徴で、これが回を重ねている場の力なのだろうなと感じる次第です

今までの30センチと共に、今回から20センチほどの小鍋2個コースもつくり小さめのお鍋を、卓上で楽しんでいただけるように提案をさせてもらいました。

最後は、ご自身の好きなローマ字か数字を打って完成。
ご自身の生み出された銅鍋は、一生ものです

そして最終日の5月12日は、第2日曜日で母の日。
お母様のプレゼントにと、一生懸命に銅鍋を二つ作られる方もおられました。
想う人のためにつくる道具は、きっと特別な使い心地でしょう。

今回も、企画してくださった宮村さんありがとうがとうございました。
そして、長崎や熊本、佐賀、宮崎と各地からご参加いただいたみなさん、心よりありがとうございます。
また、来年伺えれば幸いと思っております。
その時まで、私自身も精進したいと思います。

先日の緑青についての続き。
それに関連して、湯沸や鍋、コップなどの内側に着いている錫鍍金(すずめっき)についても。

緑青が毒だと言われていた時代に、食品が触れる部分には錫鍍金か銀鍍金をひいてくださいとの指導があったそうです。
その流れで、無毒が証明されても、今でも鎚起銅器には、錫鍍金が施されています。
一部では、銀鍍金や金鍍金を使用しているところもあるようです。
錫鍍金には、「電気鍍金」と「手での鍍金」があり
私は後者の手での錫鍍金をしています。

銅鍋づくり体験で、お持ちしている材料はこのように製作しお届けしています。
手鍍金の方が、びっちりと銅の表面を覆うことがなく
銅の成分が出てき易いと思うので、私はこの方法をとっています。
近々、研究所と共にこの辺りはデータ的に解明して、お伝えしたいと思っています。

鍍金は古くは、紀元前1500年メソポタミア時代から行なわれていたといいます。
有名なところでは、エジプトの時代 ツタンカーメン
また、日本でも奈良の大仏を金鍍金するために大量の金が使われたと言います。
現代でも、電子機器には電気鍍金の技術があることで、これだけのIT時代となっています。
緑青に付随して、こんな錫鍍金のお話もお伝えしてみました。

また、この辺りにつきましては、今後も加筆してゆきたいと思います。