日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
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先日発売された、クロワッサン4月10日号に、新潟出身の料理家の坂田阿希子さんが、モノづくりの町を訪ねるとゆう企画の中で、私の工房にも立ち寄ってくださいました。

坂田さんとのご縁は、2018年の1月3日。
1月2日の里帰り中に新潟市のヒメミズキさんにお立ち寄りいただき、私の銅鍋に関心を持っていただき、お会いしたのが始まりでした。

坂田さんにはミルクパンなども生活の中でお使いいただき、その感想をお聞きし、改善点を考えたりと、学びを深めさせてもらっています。
そんな坂田さんと、改めての工房でのひとときはとても楽しい時間でした。
お話しする中で、また新しいアイディアも生まれてきたり。
今、坂田さんと銅器の新しい企画をあたためています。
世の中が落ち着いた頃には、発表できると思いますので、もうしばしお待ちください。

坂田さん、昨年の11月には、代官山のヒルサイドテラスに洋食やさんをOPENされました。
洋食 KUCHIBUEさん Instagram
先日の東京出張の際に、寄せていただきましたが、光のいっぱいに差し込むお店。出張先の東京で、ほっと一息。
ゆで卵入りのグラタンが、とっても優しく沁み入りました。
是非、ほっと一息。
東京の真ん中でついていただけたら幸いです。

今回のクロワッサンには、暮らしの道具決定版とゆうことで、燕三条のものづくりもたくさん掲載されています。
また、坂田さんの記事には、私がお世話になった修行先の玉川堂と共に掲載していただいております。
鎚起銅器の幅の広さ、奥行きの深さを感じていただけたら幸いです。

只今、出張中の銅鍋づくり体験 西日本ツアーも
後半の福岡2daysを今週末に控えるのみとなりました。
大阪での開催にご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
そして、福岡でお会いするみなさんも、どうぞ、よろしくお願いいたします。

また、オーダーをいただいている皆様、帰り次第、工房に籠もり通常運転の製作に入らせていただきますので、しばしお待ちください。
現在、オーダーをいただいている方々の分で、5月半ばまで予定が埋まっておりますが、オーダーをご検討いただいているみなさん、その先に向けて図案のやりとりなどを含め、ご相談をさせていただきながら進めさせていただきますので、ご依頼をお待ちしております。

鎚起銅器の特徴は、一枚の平らな銅板を叩いて形にしてゆくこと。
既製品でも、オーダー品でも価格はほぼ代わりがありません。お客様の生活に合わせた器づくりを目指しておりますので、お気軽にご相談ください。
最近、製作の器をupさせてもらいます。
また、Instagramでもupしておりますので、ご参考にしていただけたら幸いです。

ロゴ入りトレイ

ジャムボウル

ミルクパン15センチ

香筒

一枚の板を叩き起こし、器にしてゆく鎚起銅器に於いて、お盆など、サイズは大きくても立ち上がりが少ない器は、手間はかかからず。口の大きさが小さくなるほど、背の高さがでるほどに、学び深き物になると今回の製作で感じさせてもらいました。

3枚の銅鍋を組み合わせて形にする香筒。
まずは、本体部分の製作から。
過去の動画も含めて、お伝えします。

図案から材料の大きさを計算し、大きな四角い板から金切鋏で切り出します。
そして、木台で立ち上げ、口の大きさを絞り始め。
口の大きさを絞ることにより、器の高さが出てきます。
今回の材料は1ミリ厚。

銅板は、叩くことに硬くなり、600度ほどに熱することで柔らかくなります。
叩いては、バーナーで火にかけ柔らかくする。その繰り返し。
カップなどは、10回ほどの焼き鈍しですが、今回は28回の焼き鈍しで形になりました。

垂直に立ち上げる場合、底からばかり立ち上げると底角部分が薄くなり破れてしまうために、途中は胴体部分に道具を引っ掛けて立ち上げる部分を変えてゆきます。

今回は、口径が小さいため、ひとつ道具をつくりました。以前、コークス炉で熱し叩き、曲げておいた鉄の棒をヤスリで磨き込み、整えてゆきます。

表情が出てくる器。
最初の図案を変更させていただき、この表情を活かす形とさせていただきました。
口径の大きさが決まってきたら、胴体部分の肉を削ぎ落とし、細身に。
金切り鋏で、口の部分を平行に整えつつ、全体の形を出してゆきます。

粗々と大きな金鎚で形を作り、最後は小さい金鎚で表面を整えます。均しとゆう作業。この作業を通して、肉の厚みの違いについて気付かされます。
普段のカップ製作では、一番厚いのが口部、次が底、薄い場所が底角となりますが、香筒では、底から2センチから5センチほどの場所が1.5ミリほどと一番厚く、次が口部、底。薄いのが底角部。

表情を保ちながら均し、3つのパーツが揃うように、整えます。

胴体下部完成の後、中合の製作。
板を丸めて合わせ、溶接。茶筒などを軽く作るためには、このような丸めて合わせつくる方法が、主な製品として流通しています。
胴体下部と、中合のすり合わせの後、胴体上部と中合の擦り合わせ。香筒を携帯した際に蓋が落ちないような硬さを保ちながら、蓋を取り外す際には硬くなりすぎない。使う場面を想像しつつ、調整を繰り返します。
今回は、スクリューキャップのように、捻りながら開け閉めするとゆう方法を提案させてもらいました。


全ての形が完成したら、器を綺麗に磨き、硫化カリウムを溶かした液に漬け込み、黒くします。その後、磨き落とし、緑青硫酸銅の混合液の中で2分ほど煮込み完成。
このような仕上げをすることで、指紋がつきにくく、色の深みがでる銅器となります。

自分では発案しないような、背の高い香筒を製作することで、鎚起銅器が1ミリ板の中で細胞が移動する姿を確認することができました。
叩き上げ手をかけることで、普段は見えない銅器の表情をを感じることができ、貴重な経験となった香筒づくりです。

最近は、殊に海外からのお問い合わせが増え、フランス、オーストリア、台湾、香港など各地からmailをいただき、鎚起銅器をお伝えする機会が増えていることを、心より嬉しく思います。
そんな中、HPを製作してもらった、新潟市ツムジグラフィカ高橋トオルさんが更にHPを進化してくれました。

中程で、動画が観れるようになりました。
この動画は、8年前の夏に、新潟市秋葉区の三方舎さんにて、初めての個展を開催させてもらった際に、代表の今井正人さんがつくってくださったものです。
この動画のお陰で、沢山の方に鎚起銅器職人として知っていただき、独立後の基礎を固めることができました。

一枚の銅板を叩き起こし器にする鎚起銅器。
手元にある器全てに、器になった理由、そして、使われることで経年変化して行先があるものです。
この手仕事を通して、そんな器に対する想像力を育めたら幸いに思います。


改めて、この動画を通して、鎚起銅器の世界に触れていただけたら幸いです。
8年間、続けてこれた感謝を込めて。