日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

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2020年

2020.01.02

新年、明けましておめでとうございます。
新潟県燕市の鎚起銅器職人大橋保隆
2020年も無事に始動することができました。
本年もご縁のあるみなさん、何卒、よろしくお願いいたします。

毎年、1月1日に書き初めをするマインドマップ。
恒例になってから6年ほど経つでしょうか。
頭の中に浮かんでくる言葉を連ねて、今、自分の考えていることを整理しつつ、新しい言葉のつながりの中から、自分の可能性を開いてゆく。といった作業です。

今年も、8時間ほど没頭し、書き上げる中で、やりたいことを発見することができました。職人としての器作りの他にも、作家としてのものづくりを、ひとつ始めてみようと思います。
職人としては、オーダーいただいたものを、よりお客様の生活に寄り添った形にできるように、技術を高め。
作家としては、自分から湧き出てきたものを、素直に形に留められるように。

また、昨年の工房改装から、真鍮を使った金具作りも進めています。
その辺りを今年は整理整頓してゆきたいと思っております。

銅鍋作り体験も、今年もまた各方面からお声がけいただいております。
周辺で開催の際には、是非ご参加いただき、ご自身で生み出す銅器の愛おしさを感じていただけたら幸いに思います。
ただいま、決まっているスケジュールです。

銅鍋づくり体験
三条銅鍋づくり 1月19日(日)
https://www.facebook.com/events/584553005683493/
2月8日土曜、9日日曜 前橋市
三条銅鍋づくり 2月16日(日)
https://www.facebook.com/events/609190859884193/
三条銅鍋づくり 3月8日(日)
https://www.facebook.com/events/807090306403097/
3月27日金曜、28日土曜 福岡県

鎚起銅器職人を基軸として、ものづくりの可能性を開き、想像力を育んでいただける器づくりに、本年も精進してゆきます。

神戸での銅鍋づくり体験にお声がけしてくれた、書家の華雪さんから、翌日に奈良へ墨づくりの見学と、握り墨づくりに行くとのことで、ご一緒させてもらいました。
穏やかな冬の晴れ間に、ピクニック気分での奈良行き。
他の職人さんの仕事を見せてもらう、とても良い機会となりました。

向かった先は、奈良市内の墨運堂さん。大きな資料館と製作現場が一緒になり、製作現場も見学できるような施設です。

その日は、職歴17年の職人さんが居られ、実際に墨を製作されていました。
墨とゆうと、硬いイメージですが型から取り出した墨はまだ柔らかく、そこから水分が抜けることで、徐々に硬くなってゆくとのこと。
表面に施されている、このような木型も段々とつくれる職人さんが少なくなり、模様を彫る工程も今勉強中とのこと。
この辺りは、どこの伝統産業でも聞かれる話で、鎚起銅器の世界でも、道具をつくれる職人さんが、私の経験年数の中でも、確実に減っています。

墨の製作工程を見学させてもらい、この材料のほとんどは、私たちが彫金で使う松ヤニとゆう道具と同じだと知りました。私たちの使う松ヤニは油を使い、もっとドロッとしていますが松ヤニとすすと油を混ぜたもの。
温めると柔らかくなり、冷めると硬くなる性質があり、表札などの製作に使う道具です。

今回知って、そうかと思ったことの大きなひとつ。墨は竜脳で香りづけをしているとのことで、この香りづけをしないと、とても嗅げるような匂いではないとゆうこと。私の好きな墨の香りは、ここから来ていたのかと。

油を燃やし煤をとることが、とても大切な作業。煤の具合で、色も変わり、品質に関わる。
また膠を溶かす作業も根気のいる作業となっており、ゆっくりじっくりと溶かしてゆくとのこと。
その膠と煤や竜脳などを混ぜる作業も、模型のように、昔は人手で攪拌していたようですが、今は機会化が進み、だいぶ楽になったとおしゃっていました。
そこも、伝統工芸の共通点で、時代とともに作業も変化してゆきます。

墨から硯、書の説明と1時間ほどのお話を伺った後に、握り墨の製作に。

先ほどの職人さんが練ってくれたものを、手のひらに乗せてもらい、ぎゅっと握る。握り方でそれぞれの表情が出て、面白い体験でした。袋の中に入れて水分を飛ばせば、3ヶ月ほどで使えるようになるとのこと。

今回の見学を通して、職種は違えど、伝統産業の現場は共通する部分が多いなとゆうことと、これからの職人の育成について考える機会となりました。
そして、墨と硯、水の関係を知れたことで、書の作品を観る際の補助線をいただきました。
お声がけいただいた華雪さん、心よりありがとうございました。

只今、西日本ツアーの真っ最中。
神戸での銅鍋づくり体験が終わり、明日からの福岡での銅鍋づくりへと、今回のツアーも、着実に歩を進めております。

いつも、九州へ銅鍋づくり体験で赴く際には、門司港のホテルで行き交う船を眺めながら、今後のことを考えることが、一つの儀式のようになっております。今回も2泊3日でホテルに籠り、来年のことを考えています。

そのひとつとして、今後は銅のカップを定番から外します。
一番身近に感じ、確かに毎日使うものではあるのですが、それを鎚起銅器の入門編として提示するのが、よいことなのだろうか?と考えた末に。
銅は熱伝導率がよく、その特性を活かしたものとして、湯沸や銅鍋は重宝します。その反転として、カップに冷たいものを入れた際には、汗をかいてしまうのです。それが良いのかどうか。とゆうことをずっと考えていたのです。

ですので、鎚起銅器入門編としては、ツバメコーヒーさんが企画デザインしてくれた、盆をオススメしたいと思います。
こちらも、日々のお料理を楽しんでもらう際には、冷やして使っても良いですし、少し、あたたかくして使っても良い器。サイズも5寸から1尺1寸まで、1寸刻みで製作しています。

また、最初に鎚起銅器の技術がたくさん詰まった湯沸から始めてもらえたら、その特性を存分に感じてもらえるものと思いますが、そのハードルが高い場合には、鍋も200年前と変わらずに生活に適した器としてご活用いただけると思います。

しかし、やはり入門編とゆうことで触れていただく為には、どんなものが鎚起銅器の特徴を活かしつつ、身近に使っていただけるかを、これから更に考えて試作をしてゆきたいと思います。
また、体験とゆう形で、銅鍋づくりをしていただき、ご自身の手で生み出した道具から始めていただけることもよいかと思います。ご自身の手で、ご自身のつくりたい形を生み出す。そんな銅鍋づくり体験も、引き続き開催し続けたいと思います。
1日かけて1枚の銅板からつくる銅鍋づくり体験の模様はこちらから
銅鍋づくり体験 in新潟
2020年も3月から11月にかけて、日本各地で銅鍋づくり体験を主催してくださる場所に伺います。
詳細につきましては、銅鍋づくり体験についてをご覧ください。

とはいえ、カップの手触りやその特徴をご理解いただき、ご要望があればお作りいたしますし、新潟市東中通一番町にあるBarBookBoxさんのように、カップやチロリを実感していただける店舗もございますので、是非、そちらに足を運んでいただき、カップをお使いいただき、ご納得の上で形など店主に相談していただけたら、私も製作しがいがあるものです。

「カップは鎚起銅器の入門編としてはどうなのか?」とゆう問いから、このような形になりましたが、引き続き、鎚起銅器を通して想像力を育んでいただけるように、出張から帰り次第製作に励みたいと思います。
そして、工房で製作に励みつつ、各地に赴き鎚起銅器をお伝えすると共に、見聞を広め、今の器作りを続けてゆきます。

12月4日水曜日、関門海峡臨むホテルにて。
鎚起銅器職人大橋保隆

10月6日よりの1ヶ月、銀座松屋さんで開催されていた工芸批評の展示会に、企画デザインをしてくれたツバメコーヒー店主の田中さんと、やっと伺うことができました。
この展示は、秋の工場の祭典で定点的にお話会に来てくださっている明治大学講師であり哲学者の鞍田崇さんに推薦していただき、参加させていただきました。

鞍田さんとは、この5年ほど、交流を持たせていただき、今の工芸の流れを学ばせていただいたり、各地の作り手さんをご紹介いただき、書家の華雪さんとも、鞍田さんの授業で知り合ったことを思い出します。
この様な機会をいただくことで、とても励みになり、自分の器を改めて見直すこととなりました。
鞍田さんには、いつもご縁をいただき、心より感謝しております。

また、夜には「青花の会」に参加し、ギャラリーオーナーの松本武明さんと山内彩子さんのお話を聞きに。

クラフトフェアやSNSの登場で、 作り手と買い手の距離が近くなり、 その間で作り手の健全な経営ができるようになったとき、 ギャラリーの意味が問われている、今。と感じています。
また、それだからこそ、売り手の観る力が作り手に与える影響も大きいだろうなと思う今日この頃です。
いくつか質問したかったこと、またいつか。

東京で、学び多き時間を過ごさせていただきました。
また、工房に帰り励みます。

先般の茜染の翌日は、改装した生活手仕事研究所で、初めてのみそづくりを開催しました。
伝えてくれたのは、同じく大阪市中津商店街の冨貴工房のたかくん。
生活と手仕事が寄り添うような日々を目指している私としては、生業の鎚起銅器と共に、みそ造りのような手仕事を、この場所で続けてゆくことも大切な事と考えます。
その第一歩を、敬愛なるたかくんを迎えて開催できることを、とても嬉しく思っています。

先ずは、下ごしらえ。
前夜に大豆を浸水し、一晩つけて、2.2倍程になった大豆を、今回は工房の薪ストーブで。
ガスコンロでと思っていましたが、どうせなら薪でと思える選択肢を持てていることも、災害のさいなどには大切なこと。

みそづくりも、午前中は座学から。
みそづくりの行為自体も大切ですが、なぜ、この時間を過ごすのか?とゆうことを、捉えながらの手仕事が大切。

戦国時代のみそのことや、みその語源など。
みその噌の字は、かまびすしいとゆう意味の当て字とか。発酵物でであるみその中には、たくさんの微生物が共生し合っています。

昼食を挟んで、本格的なみそ造り。
今回は、佐賀の無農薬で栽培された大豆と、平戸で炊かれた海塩で仕込みました。
タライで、長岡で育てられた麹を揉みほぐし、塩を混ぜます。
薪ストーブで茹でた大豆は、甘みが出ると感じます。と共に、保温性がある為に、豆を潰す時は、火傷に注意。

大豆がよく潰れたら、麹塩を混ぜ込み、煮汁を入れながら、硬さを調整します。
程よくなったら、1キロずつに丸めて出来上がり。
それぞれが欲しいキロ数を持ち帰り、樽に仕込まれます。

体験してみないと、大変そうだと思うこともありますが、このように体験してみると、とても手軽で気楽な手仕事であり、熟成された手前みそは、とっても美味しさを届けてくれます。
これも微生物の恩恵。

これからの季節、昼間に薪ストーブの上で大豆を茹で、夕方から仲間と集いみそを仕込み、ご飯を食べたり、お酒を飲んだり。そんな想像を広げつつ。
次回も、近々、開催したいと思います。

先日、改装でお世話になった、新潟市松浜の建築事務所 アトリエnicoさんの事務所兼cafeを会場に、茜染めの体験会を開催させてもらいました。
伝えてくれたのは、大阪市中津商店街で、茜染めやみそ造りの手仕事をしながら、各地にWSを開催している冨貴工房のたかくんこと、冨田貴史さん。
私も、普段から彼の染めた茜染めの風呂敷や下着、アイマスクなどを愛用しており、古来からある茜の効用の実感をしています。
そんな茜についての座学からの始まり。

楽しさに包まれながら、茜の歴史や染めを通じてのコミュニティなどについても、話は深まってゆきます。座学をしながらも、下屋では茜を煮出しつつ。

今回は、茜染めの為に養生がしてありますが、普段は木の温もりに包まれる、素敵なcafeでもあるnicoさん。
普段は、ベーグルやスープのランチなども。
今回は、優しい味わいの豚汁をつくってくださいました。

昼食を挟んで、本格的な染めの始まり。
まずは、布を水に馴染ませることから。

じっくりと何度も何度も、媒染とすすぎと染めを繰り返し徐々に茜色に染まってゆきます。

今回は、3回の工程を繰り返しましたが、たかくんが作品とするときには、8回、9回、10回と、納得ゆくまで染め重ねるとのこと。
一気に赤くするのではなく、徐々に染めてゆくことで、色落ちのし難い、色あせし難い染物になってゆくとのこと。
今回は、冨田家の照晃くんのファーストシューズも染められました。
みんなとっても、鮮やかな良い色。

1日の体験を通して感じたことを、集った皆さんとシェアして、終了。
子供達も一緒に過ごす良き時間です。
このように手仕事を通して、集える場があること、手仕事をしながら、いろんな話が深まること、とても良き時間です。
また、次回は、4月ごろにお招きする予定です。
ご関心のある方は、是非。
会場を貸してくださった、nicoさん、ありがとうございました。

10月3日木曜より始まりました
燕三条工場の祭典に合わせ、改装後の生活手仕事研究でも、イベントを開催しております。
まず第1弾は、縁側づくり。
「ここに縁側があったら良くないですか?」とゆう、アトリエnico 羽ヶ崎さんからご提案をいただき、「そうですね!」とゆうことで、10月4日に公開DIYとして、縁側をつくりました。
その製作工程を、お伝えさせてもらいます。

事前に届いた材料。
今回は、檜を使った縁側。
檜は、油分が多く、このような雨が当たる場所にも向いているとのこと。

先ずは、土台部分になる部分。
窓いっぱいに縁側が出るように、家本体に木材を打ちつけます。
この家は、窓が大きいことも特徴のひとつです。

左側の四角い木材が基礎となる部分。
今まであったブロックの上に置いてみたら、水平もぴったりで、スムーズ。
これまでの改装で培った羽ヶ崎さんとの息もぴったりで、どんどんと作業は進んで行きます。

基礎に合わせて、等間隔に上物を打ち付ける基礎づくり。
小学生の時に使った式算も、こんな時に役立ちます。

基礎ができたら、あとは只管に、縁台の打ちつけ。

雨も降り出しましたが、台風が来る前にと打ち込みを続け、結果二時間で終えることができました。

こんな素敵な縁側で、この秋はサンマを焼き、日本酒と共に、想像力を養いたいと思います。
本日5日土曜より、明日6日日曜まで、この工房改装DIYをご一緒してくれた羽ヶ崎章さんが、工房に11時より17時まで居られますので、ご関心ある方は、是非、工房にお越しください。
心よりお待ちしております。

先日のフランスの旅で、南西フランスのみなさんに向けてのデモンストレーションを行わせてもらった様子が、地元の新聞に掲載されたとの報告をいただきました。
現地で宿を提供してくれた日置かよこさんのお陰で、この様に沢山の方々に触れていただけたことを心より嬉しく思います。

今回の旅では、地元の大工さんに体験会用の道具をつくってもらったりと、日本の手仕事を実感していただく機会があったりました。
以下、パリで案内をしてくださった中村さんが訳をしてくださったので、記載させていただきます。

昨日で、職人になり23年目に入りました。
この貴重な機会を励みに、一歩一歩着々と進めたいと思います。
これからもご縁のあるみなさん、何卒、よろしくお願いいたします。

ラ・ソヴタ・ドゥ・ドロ
//日本の伝統工芸、鎚起銅器の発見//
我々のような小さな地域では、住人である日本人に、他の日本人が訪れることは珍しい。今回の訪問には目的がある。日本銅食器の伝統技術を紹介し、Yasutoshi Oohashi がデモンストレーションをすることだ。日本の伝統と親子で受け継がれてき技芸を。
この工芸品は、生まれた地域より « Tsuiki »と呼ばれ、平らな銅板を何度も叩くことにより、茶道具だったり、酒器などの洗練された食器具に仕上げていくものだ。
Yasutoshi Oohashiは、1975年7月17日生まれ。少年の頃から、同じく職人であった父Masaaki Oohashiの後を継ぐことを夢見て、10年の修行の後、独立した。2007年より制作をはじめ、技術を伝えるアトリエを主催し、今ではとても好評となっている。彼の高貴な振る舞いや、魅力的な人格は、多くのファンを惹きつけている。クリエイターとファンのつながりは、作品の価値を高め、作品は真に唯一のものとなっている。
8月16日、エイメの「Toi Eymet Moi」アソシエーション前で行われた第一回デモンストレーションの後、同日、ソワレ・グルモンド祭の最中に、Oohashi San (日本ではこのように呼ぶ)は、祭りの実行委員会に招待され、2枚の銅板制作を、大人、子供達の前で披露し、皆、かくも遠くから来たこの技芸を興味深そうに見学した。土台は切り株、道具はハンマーのみ。精巧さと忍耐とで、作ろうとしている食器の形まで作り上げていく。
見学者から拍手を受けたOohashi Sanは、作った器を見学者たちに回し、触らせてくれた。日本ではこれで食事の際、お酒を飲むのだそうだ。そのあと、子供たちにハンマーを握らせ銅板を叩く体験もさせてくれた。着物を着た日本人女性は、彼の技芸と連絡先が記載されたパンフレットを配布した。

大きな什器も全て入り、これからは場を整えてゆく小道具の製作を進めてゆきます。普段の仕事の中では、銅鍋の取っ手を真鍮で作ったり、表札の製作には板金技術を使ったりと、鎚起銅器の技術以外の技術も複合的に使います。
そんな技術を活かしながら、吊り戸棚の取っ手や、ガスレンジの囲いなどを作ってみました。

先ずは、吊り戸棚の取っ手を二種類。
普段は、銅鍋の取っ手を作る要領で、丸めのものと、四角めのものとを製作しました。
空色の丸い取っ手は、以前作ったコンチョを利用。

続いて、S字フックと、C字フックを。
これらのフックは、鎚起銅器の銅鍋づくり体験の際に連れて行って、一緒に販売したいと思っています。
ご自身が生み出した銅鍋を愛でれるように。

こちらは、壁に取り付けるタイプのフック。

作業台が出来上がり、コンロも据え付けられた為、必要なものやアイディアも広がります。
ガスレンジ周りの油跳ねを防ぐガードも、銅板を曲げて作ってみます。こちらは、表札の奥行きを出すために縁を曲げる工程の応用です。

最後は、フランスの蚤の市で買い求めたドアノブの取り付け。
羽ヶ崎さんが持っていた、小さなウォールナットの木片と、私が切り出した銅板を組み合わせ、地としました。

10月3日木曜〜6日日曜にかけて燕三条で開催される、工場の祭典に合わせ、生活手仕事研究室もご覧いただけるようにしたいと思います。
そして、まだmだ小道具制作は、仕事の合間に進めてゆきますので、またご報告させていただきます。

徐々に形になって来ている事務所を
「手仕事研究室」と名前をつけたいと思います。
ここでは、ギャラリースペースとして
私が普段つくっているものを実際に見ていただいたり
鍋やフライパンなどを実際に使っていただく場としても
活用してゆきたいと思っています。

今回は、その中心となる作業台と本棚の製作です。
作業台は、新潟市松浜の建築士 アトリエnico 羽ヶ崎章さんの設計で、フレームを新潟港近くの造船所の方から。木材の部分をワダヨシヒトさんから作っていただき、設営にもきていただきました。

天板は、食器棚と同じで、楢の木を使い、堅木の重厚さと、木の持つ温かみを感じる、大きな作業台。
ここでの料理が楽しみで、想像が膨らみます。
大きなテーブルの上では、大きく広げられ、想像力も大きくなるように感じます。

作業台の前面には、棚も作ってもらい、収納スペースも広くなりました。
そして、私の好きな本や資料を並べるための本棚づくり。
こちらも、羽ヶ崎さんが設計してくれ、ボルトを使い上から吊るす棚となりました。
ボルトは、保養活動でも一緒している、新潟市河渡のバイク屋 CORE CRAWの中島志門さんに依頼。
本棚に合わせて金具の溶接も、手早く仕上げてくれました。

DIY的に、ホームセンターで合板を4等分にしてもらい、穴を開けて組み立てへ。

こちらも大容量で、資料や私の好きな本を並べながら、新しいことを考えられる環境が整いました。
そして、合板と金具の関係性から、たわみが気になるため金具製作を。
真鍮の丸棒を加工し、ブックスタンドを兼ねながら上下の合板を繋ぎ合わせます。

大きな什器も全て入り、ここからは小さな部分を整えてゆきます。
普段の鎚起銅器の仕事で培った技術を活かし、小道具製作に入ります。