日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

カテゴリー〈 旅 〉

フランスも3日目。
この旅に出る目的のひとつは、西南フランスの田舎町 サバタ村を訪れること。この街には、兵庫県出身の日置かよこさんが住まれていて、宿を経営されています。かよこさんには、日本に帰国された際に、地元で銅鍋づくり体験を主催したいとの連絡をいただいたのがご縁で、2回ほど銅鍋づくりを開催していただきました。
そのご縁から、今回は新幹線で2時間40分ボルドー経由、サバタ村へ。

かよこさんの宿は、中世から残る家。パリとは違い、本来のフランスの持つ街の雰囲気を保ってくれています。
そして、田舎町の美しい自然の風景。

そして、街並みの中に溶け込む銅器たち。

この街では、地元の大工 ジョナタンとの出会いもあり、次回の渡仏に向けて、銅鍋づくり体験の木台をつくってもらうことになりました。
私はお礼に大きなお肉を焼く、40センチほどの厚めのフライパンを。
こんな田舎町では、そんな物々交換で生活が成り立っている部分もあるようです。

かよこさんが、地元の皆さんとのご縁を繋いでくださり、また、次に繋がることを願いつつ、サバタ村を後にしました。
それが今回の2019年の旅へと繋がります。

そしてまた、パリの街へ舞い戻り。
翌日は、敬愛するロダンの美術館へ。

ロダンは、この庭を観ながら、何を思ったのか。
コレクションした、ゴッホの絵を前に、何を感じていたのか。
ヨーロッパでは、名作品を身近に感じられ、ここで育まれた子供達完成は、どう育ってゆくのかと想像を膨らませます。
子供達に限らず、自分自身も含め。
そんなことを思いながら、この旅も佳境へ。

初めての海外旅行フランス、最後の夜。
相変わらず歩きに歩いて出会ったのは、フランスの鉄工所と食器屋さん。
こんな出会いも、街歩きのお陰。

記念に一本ナイフを買い、一晩明けたら帰路に。
この旅で芽生えたご縁が、今回の2019年夏のフランスへの旅へと続きます。
そして、また次回、また次回と、仕事としての渡仏を重ねてゆけるよう、精進したいと思います。

エッフェル塔のそばから出ている、セーヌ川の水上バスを見つけ、乗船してみることにしました。17ユーロで、1日乗り放題の水上バスは、観光名所をぐるぐると巡っていて、バスとは違った風景を見せてくれます。
今回は、エッフェル塔からシテ島に。

今年、工事中の火事で焼けてしまった、ノートルダム大聖堂
私が訪れた、前回はまだ、その威厳に満ちた様相を見せてくれていました。
この大聖堂の宝物館には、金属のものづくりに関わるものにとって、必見のものが沢山収蔵されており、いつかの修復が強く望まれます。

そして、前回のパリで一番に感動を覚えたサントシャペル
真っ赤なステンドグラスの部屋には、壁にぐるりと椅子が並べてあり、何時間でもこの空間に浸っていたいと思わせてくれるひとときでした。
この光に包まれながら、古の人々の祈りも続いたのでしょう。

パリはノエルの季節。
12月の本番に向けて、徐々飾り付けがされています。
街を闊歩した二日目も無事終了。
後編の西南フランスの田舎町編へと続きます。

今回、2019年の夏に2回目のフランスへの旅を経験し、前回、初めての海外一人旅で訪れたフランスを振り返っております。
海外への一人旅が初めてなら、フランスも初めて。
そんな初めて尽くしの中、様々なみなさんのご協力のお陰で、パリから南西フランスへと無事に10日ほどの旅を経験することができました。

その経験があったからこそ、今回総勢9名のみなさんとの旅も、無事に進められたことに感謝しつつ。この度も経験を重ねたフランスの地は、またぐっと身近になりました。
今回は、念願の鎚起銅器体験も、南西フランスで開催させていただき、パリだけではなく、地方の方々にも鎚起銅器に触れていただくことができました。

22018年11月も終盤、初冬のパリの美しい朝焼け。
初めてのこの地で、どんな経験ができるのか、期待と五里霧中の手探りの不確かさを噛みしめつつ、パリの1日は始まりました。

一人旅、シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へ。
タクシーではコストがかかり過ぎると、地球の歩き方で知ったRoissyBusでパリ市内へと移動。
チケットの買い方から、バス停から、歩きに歩き、警備員さんに聞きつつ。
なんとか12ユーロの移動をすることができました。

Roissy busは、空港からオペラ座への直行便。なんとゆうことも無く選んだホテルが、アクセスの良いこの地域だったとゆう幸運に感謝しつつ。
この初めてのパリらしい建物であるオペラ座を、見上げておりました。

ホテル荷物を預け、近辺の散策へ。
今なら、有名な場所は位置関係を把握できていますが、この時は、兎に角歩いて場所を把握することが、大切と感じておりました。
コンコルド広場から、チュイルリー公園エッフェル塔遠望、セーヌ川

午後からは、長友心平さんのご紹介で、パリで旅行会社に勤めておられる、中村さんと合流させてもらい、贅沢にもマンツーマンでルーブル美術館の案内をしていただきました。

一日目も無事に終了。
二日目も、パリ市内散策に。
チェイルリー公園にある、オランジュルー美術館は、モネの大きな作品が2つの部屋に渡り展示されています。ひとつの作品がぐるりと部屋の四方にかけられており、ぐるぐると回ったり、椅子に座りながらじっくりと干渉したりと、それぞれの鑑賞の仕方でゆっくりと眺めていられます。
日本に関心を深く持っていてくれたモネの美術館には、日本語の解説もあり。

更に練り歩くと、そこかしこに、素晴らしい彫刻や建築物があります。

歩いて
歩いて
歩いて
シャンゼリゼ通りをエトワール凱旋門まで。
パリ市内は、東京山手線の内側くらいの大きさと言われていて、歩いても充分に移動ができる街。歩きつつ、位置関係と途中にあるお店を見つつ、パリの街を実感してゆきました。

流石の街の中心の凱旋門。
パリはナポレオン・ボナパルト無しでは、語れないでしょう。
その街の出来た歴史と、街の作りの理由が、明確にこの凱旋門に出ているなとかんじました。
凱旋門から、高みのメルクマール エッフェル塔へ。

2018年は、日仏友好160周年とゆうことで、日本の催事も各地で開催されていたようです。
私が、訪れた際にも、ジャポンマルシェが開催されていました。

海外と日本のイメージのギャップは、まだまだあると感じますが、日本のもづくりを通して、その精神性をお伝えできたらと、改めて思う初の海外旅行ひとりたびとなりました。
ここから、セーヌ川へ。
中編に続きます。

パリといえば蚤の市。
とゆうことで、初めてヴァンヴの蚤の市に寄ってみました。
バカンスのためでしょうか、人もそれほど出ておらず、お店もそれほど出ておらず。ゆっくりと楽しむことができました。
今回、出会ったものは、金属食器の貝印の金型。貝は殉教者ヤコブの象徴でもあり、この旅の記念にと購入してきました。

そして、本題のスタスブールから、コルマールへの旅。
パリの東駅から新幹線で2時間。
ドイツとの国境にあり、陸続きのヨーロッパだけにそれぞれの文化が解け合い、フランスとドイツの融合に、とても可愛い街として多くの人が訪れていとのこと。
まずは、ストラスブールより、電車で30分ほどのコルマールへ。

この街は、戦災を受けずに残り、本来の姿を見せてくれており、宮崎駿さんがハウルの動く城のモデルとした街とも言われていて、古い木組みとカラフルな街並みは、本当に今でも動き出しそうな雰囲気を持つ街です。

土地が変われば、食べ物も変わる。
やはりドイツに近いだけに、名物のシュークルートも、ソーセージなどの加工肉とホクホクしたジャガイモなどを、美味しくいただく機会となりました。

そして、やはり街の中心部には寺院。田舎町の奥に屹立し、繊細な面持ちとその土地で取れたであろう切石のあたたかみのある色が、ひとつの衝撃として私の中に飛び込んできました。
サンマルタン寺院。
なんとも、静謐を保つ場所と感じました。

そして、コルマールから新幹線駅のあるストラスブールへ。

こちらは、駅も近代的で、街並みも開発が進んでいると感じつつ、街の中心部に進むと、そこには、やはり大きなストラスブール大聖堂が。

コルマールの屹立とは、またひと味違い、どれほど天を突くのだろうと思う、大聖堂の高さ。こちらも繊細な作りと共に、大聖堂と言われるだけの多くの彫刻やステンドグラス、パイプオルガン、天文時計など、ひとつの集大成としての形を感じさせてくれます。

欧州の旅で感じる信仰心。
信仰心×(建築+彫刻)は、現代では辿り着けない、その時代の時間の流れがもたらしてくれる財産なのだと思います。
そして、現代に生きる私たちのものづくりは、どんな時間の中で、どんなものを生み出すのかを問われているのだろうなとも。

「なにごとのおわしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」
西行の言葉を噛みしめつつ。
形は違えども、こころに迫るものづくりを実感する旅は続きます。

今回は、初めて日本人向けのツアー参加を試みてみました。
目的地は、車で西へ4時間のモン・サン・ミッシェルへ。
海に囲まれたモン・サン・ミシェルは、巡礼地としてとても有名なところですが、以前は、イギリスから攻められ、海賊から攻められと、翻弄されながら要塞としての機能を持っていたとのこと。
この海の向こうに、この寺院に集うみなさんは、何を思っていたのか。

パリの街中では、荘厳で信仰心でできた建築と彫刻の塊、とゆう印象を受けますが、この寺院は、ゴシック建築の中にシンプルで淡いステンドグラス。そのステンドグラスの優しい光に包まれて、祈り続ける力強さの塊とゆう印象を受けました。

パリから車で、東に4時間。
干潮の際には歩いて渡れ、満潮になると孤立する島。そこで祈り続けられていた想いは、どこに届いているのだろうと想いを馳せつつ。
また、帰路に。

モン・サン・ミシェルは、観光地としても多くの来場があり、寺院へ続く坂道には、所狭しとお土産物屋さんが並んでいます。
そんな道路に、銅鍋がひとつ。
ジャム用の鍋と思います。銅鍋でジャムをつくると、時間が短縮され、色も鮮やかだとか。銅の特徴を表すひとつと思います。フランスでは、お菓子への熱量もとても高いだけに、このように銅鍋の文化で繋がれることを、とても嬉しく感じます。

お城であり、宮殿だったルーブル美術館
以前は、駐車場に使われていた地下1階には、その城壁がまだ残っており、往時の風景の造像を膨らませてくれます。
その後は、宮殿としての存在と、その一部を市民によって取り壊されるとゆう事態とを経験し、王族の持ち物が、今は市民のものとして、現在の形になったとか。

パリの歴史を感じさせてくれるルーブル美術館では、20万の所蔵品の中の1割の2万の美術品が展示されているようです。
彫刻なら、彫刻。絵画なら絵画。
その流れを知ることで、人の歴史を感じることができます。

今回も美術に詳しい、パリ在住の中村さんのご案内。
先ずは、彫刻。
だんだんと、服を脱いで行くビーナス。
服の襞、姿勢、その時代によっての変遷は、人の美に対する希求の現れ。
完璧と言われるミロのビーナスも、解説を聞きながら実際に身近で観てみると、見えない線が出て来たりするものです。

何十段もある階段の上でいっぱいに光を受けている、サモトラケのニケ
航海の安全を祈り、船の舳先につけられていたそうです。
波に濡れて肌にぴったりとついた衣、風を感じる翼。
ルーブルの中でも私の好きな彫刻のひとつです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの、筆の跡が全く残らない、洗礼者聖ヨハネ。
キリストと共に、よく西洋絵画に登場する聖ヨハネ
漁師だったヨハネは、ラッコの毛皮を着ています。この絵もよくよくみると、左手には杖を持ち、体にはラッコの毛皮を巻いています。

何万点にもわたる名品は続きます。

その時々で、目に触れるものも違いまが、今回、一番沁みたのはドラクロア民衆を導く自由の女神

自由を獲得しようとする市民の絵として、有名ですが、その下で踏みつけられている兵士の姿。そこには略奪の跡もあり、革命とゆうものを考えさせられます。自由を求め、自由を獲得してきたフランスとゆう国。そのひとつの姿として、この絵の教えてくれるものもあるなと感じつつ。
日本に置き換えたときに、私たちはどんな姿勢で乗り越えて行くのだろうかと考えます。

最後は、ミケランジェロ奴隷
彫刻は、石を組み合わせて製作することが通常のようですが、ミケランジェロは、一体物としての彫刻の製作を続けています。
石切場までにも、足を運んでいたようで、その分、製作には時間がかかったようですが、部分を組み合わせる彫刻と、石から掘り出す彫刻と、その方向性の違いは、鎚起銅器にも共通する考える違いのような気がします。
そして、この作品は、縛られながらも天を目指している男が主題。
側には、盲目で欲望に縛られている作品が対になっています。
どうしても何かに縛られている人間社会。しかしながら、目を瞑らずに、目指すべき場所を、どんな環境でも目指したいと思わせてくれる作品でした。

充実した1日を終えて。
フランス、3日目へと続きます。

前年の冬、パリ〜ボルドーへの旅に引き続き
今年もご縁があり、フランスへの旅に旅立つことができました。
前回の旅では、ボルドー方面の地元大工さんの知り合うことができ、銅鍋づくり体験に向けて、木台を製作してもらいました。その木台の調整とともに、実際にフランスの方々にも、体験をしていただくのが目的。
と共に、いつもお世話になっている皆さんと共に、合計9名での旅となります。
そんな旅の模様を、現地よりお届けしたいと思います。

この季節、ハイシーズン中の安旅行は、台北経由香港経由パリ行。
20時間ほどの時間を使い、やっと着いたシャルル・ド・ゴール空港。
2回目とゆうことで、だいぶ様相も把握でき、スムーズにバスでオペラ座付近のホテルに。
RoissyBusは、空港とオペラ座を結び、とても便利なバスです。
前回の一人旅で、空港を歩き回ったお陰。身体を使い実感の中で把握する大切さを感じております。

街の中心にある、オペラ座ガルニエ宮
運良く前回はここにホテルをとることができ、その便の良さで、今回も滞在はオペラ座近くのホテルに。

花の都とゆう別名を持つほどのパリ。
やはりその歴史を残す首都だけに、街を歩くだけでも、素晴らしい建築彫刻に出会えます。
先ずは、ナポレオンが、ギリシアへの思いを込めて、建築途中で様式を変更したとゆう、マドレーヌ寺院

噴水が気持ち良いコンコルド広場と、パリのメルクマール、エッフェル塔

8月のパリは、陽が長く午後9時ごろでも、こんな夕暮れ。

1日目は、周辺の散策で終わり。
2日目は、前回は乗らなかった地下鉄。芸術の街の中でも様々な芸術家が集った、ルネッサンスの地、モンマルトルへ。

前回の旅で知り合った、中村さんにアテンドをしていただき、芸術家の足跡をたどらせていただきました。
ほんのひととき。ですが、その土地の空気に触れることで、何か感じられればと。

モンマルトルは、パリ市外にポツンと小高い丘のような場所。パリを一望に見渡す頂上には、サクレ・クール寺院。パリ市内を見守ってくれています。
その近くにある、首を落とされても、首を持ち歩きながら教えを説いたと言われる聖ドニ。私もこの位の覚悟を持って、仕事に臨みたいものです。

パリ到着から、モンマルトル編は、午前中に巡り。
Part2は、ルーブル美術館へと続きます。

この新施設は、お客様に鎚起銅器を実際に使っていただきたいと思い、改装が始まりました。
鍋やフライパン、湯沸、カップなどなど、銅器を使ったイベントや料理教室。
また、打ち合わせスペースや、ものづくり資料の図書室としても活用したいと
思っています。
綺麗になった天井に、ライティングレール も2本設え、私のつくった器もいつでも見て触れていただけるように。
そして、銅鍋づくり体験や小皿づくり体験、盃づくり体験、真鍮スプーンづくり体験など、各種体験会も、この場所で随時行えればと思っています。

まずは、先日のつり天井にスパイラルダクト を取り付ける作業。
今までのコンロの位置よりも、離れた場所にコンロ台を置くため、スパイラルダクト で換気を延長してもらいます。
羽ヶ崎さんの手腕で、工事は順調に進んで行きます。
心機一転、換気扇も新しく。

コンロ台を動かしたことで、水回りの作業スペースも大きくなり、業務用のシンクを入れて、洗い物も気持ちよくできるようになりました。
洗い物が気持ちよくできると、料理にも気合が入ると感じます。
そして、カセットコンロ生活は続き、カセットコンロと銅鍋相性の研究も続きます。

最後には、点検孔の工事をしてもらいました。
羽ヶ崎さんも、初めての試みとのことでしたが、羽ヶ崎さんとひとつひとつ一緒につくる進めてゆくことで、この家にも愛情がさらに湧きます。そして、どんな工程で出来てきたかを知ることで、メンテナンスの仕方も知ることができ、長くこの自宅兼工房に住み続ける楽しみが湧いてきています。

この家は、曾祖母さんの玉川シゲさんが持っていた家。うなぎの寝床のような長い家を3つの家に分割されたひとつ。シゲ祖母さんが住み、私の父も玉川堂に入りたては、この家の2階に住んでいたこともあったとか。
そんな場所に、今度は私が住み、工房として活用させてもらっているとゆう、ご縁の深さ。心からありがたいことです。
この場所を活用することで、この地域に根付いた仕事として、鎚起銅器に更に多くの方に触れていただきたいと思います。

先日に引き続き、工房改装のその後を。
解体作業から一転、今回からは天井や壁の張り替え作業に入ります。
張り替えの前に、電灯の位置変えのための配線。途中の作業はカオス一色となっていました。

電気屋さんの配線の後に、新潟市松浜のアトリエnico基礎部分を付け込んでもらいます。

その基礎部分に、木工ボンドで養生しつつ、真鍮の釘を一本一本手打ちをしてゆきます。
この作業を、機械的にバンバンバンっと打ち込むこともできるようですが、私の感覚を共有してくれている羽ヶ崎さんは、真鍮の釘を打ち付けてゆくことを提案してくれました。

寸法を測り、印をつけ、一本一本、丁寧に釘打ち。
釘目の姿は、みんなの汗の結晶として、美しく並んでいます。



天井が完了したら、壁面へと移行して行きます。
壁面は工房の延長らしく、ベニヤ板を寸法に切りながらの嵌め込み。
家もそれぞれの場所で、微妙な寸法違いがあり、カッターで切った後に、ヤスリで調整しながらの作業になってゆきます。
そして、また真鍮釘の打ち付け。

吊り戸棚も、表面の白い板を剥がし、サンドペーパーで磨いて滑らかにし、亜麻仁油で深みをだします。色が整ってきました。
この辺りの自然さも、羽ヶ崎さんが提案してくれ、ありがたい限りです。

大枠の外装作業が終わったら、各種取り付け作業。
シンクや換気扇、点検孔などなど、だんだんと形が見えてきます。
Part3に続く。

2019年
新たな試みは、工房の改装です。
玉川堂をきっかけに、職人は1分でも近くに住んだ方が良い。
それだけ、仕事に集中しなさい、とゆう父の言葉と共に、20年前よりこの場所に住み、12年ほど前に独立してからも、ここに工房を構え、仕事を続けて来ました。
1分でも近くに住んだ方が良い、ところから、起きたらすぐに仕事ができる環境で12年。
そろそろ、仕事場とプライベートスペースを分けつつ、お客様に更に銅器に触れていただく機会が増えるようにと、工房改装に取り掛かりました。
一緒に改装を進めてくれるのは、新潟市松浜にある建築事務所 アトリエnicoの羽ヶ崎章さん。
羽ヶ崎さんは、普段から交流をさせてもらっており、私の仕事の理念もご理解いただき、今回の運びとなりました。
そして、家具は、銅鍋づくり体験で木べらを販売させてもらっている、 Ojn Handmade Hutのワダヨシヒトさん。
どんな出来上がりになるのか、私自身楽しみな始まりです。

この家は、曾祖母さんの玉川シゲさんのもちものを、私が受け継いだ家。
若かりし父も、2階に住みながら仕事に励んだようです。
今までは、玄関を入って、右側に台所と今、1階奥の部屋が彫金場、その先に
鍛金場がありました。2階は資材置き場兼ベッドルーム。
混沌とした、生活と仕事。
生活と仕事の一体加減は良いと思うのですが、1階は仕事場、2階は住居部と分けてメリハリをつけ、打ち合わせなども1階で行えるように。

まずは、一般家庭の昭和を感じさせるシンクや戸棚の解体から。
解体しつつ、全体像を見ながら、寸法を確認してゆきます。

ガスなどの配管は、地元の業者さんにお願いし、フラットになって行きます。

ガスコンロを撤去したため、しばらくは、カセットコンロ生活。
熱伝導率の良い鎚起銅器は、カセットコンロでも、十二分に能力を発揮してくれて、こんな状況も楽しい時間になっています。

次回に向けて材料も運び込まれ、工房改装Part2に続きます。