日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

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本日から再開されます三方舎さん個展。
平日は、13時から17時まで在廊します。
会場には本棚を1箱置いてあるのですが「思想強すぎて触れないでおきました」なんて感想もいただいたりしますが、今回の展示に際して今私が考えていることを支えてくれている本達を差してあります。
二項対立から抜き出るために第三項を立てる。
私なりにはそれが汽水域と言われる所だったりするのですが、今回の企画展に際して鎚起銅器の230年の歴史の中で、80年ほど前に出てきた量産体制になるためのヘラ絞り技術をどう捉え直すか?という問いへの私の今の答えが、今回ここ三方舎さんの1つの部屋に凝縮しています。
この視点に至るにはミノル製作所本多 貴之さんと出会い、お話を重ねてゆく中で燕のもうひとつの大きな技術であるプレス加工が大きな項目として現れました。
鎚起銅器<ヘラ絞り生地<プレス加工
この三項が見えた時にヘラ絞り技術こそ第二項ではなく第三項だったのだと気付かされました。そしてヘラ絞り技術こそ今、汽水域の面白さがたっぷりある領域なのだと感じています。
27年職人をやっていてまだまだ気づかないこともあるとも言えますが、この本達に出会って、私がやっと気づけるようになったといっても言いかもしれません。

以前の鎚起銅器業界で私がヘラ絞りのことを話すと、そのつくり方を否定しているのかと言われる状況でしたが、それも私が自分自身の環境を当たり前に思っておりその当たり前を前提に話していたからだと振り返ります。
その環境とは、私の父親も玉川堂に勤め、親戚一同玉川堂でそのヘラ絞り技術のお陰で存続しており、私のおしめ代からミルク代、学校へ通わせてもらっていたのも父親の給金でまわなわれいたということ。私がヘラ絞りを否定することはその人生も否定することにも近いことをまずは理解してもらうべきだったと今は思ったりしています。
代々の家業でである故の私の言葉も足りなさ。しかし、今は環境も変わり私の言葉の経験も変わり新しい出会いもあった。そんな中で考える私の鎚起銅器が三方舎さんの部屋にぎゅぎゅっと詰まっています。

変わらずに私は古くからの一枚から叩く鎚起銅器のつくり方で、多くのお客様に触れてもらいたいと考えているわけですが、鎚起銅器業界に於ける友敵問題に一定の答えを出せたのではないかとも思っています。
それを、今回の個展での成果物として、触れていただけたら幸いです。
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3つの手仕事合同展『ツバメきて虹あらわる』
大橋保隆 展(鎚起銅器)@tsuikisyokunin
ワダヨシヒト 展(木の生活道具)Ojn Handmade Hut
手織り絨毯 展(ガズニン/トライバルラグ)@ghaznin_japan
期間:2025.4/5(土)〜4/13(日)
休み:4/9(水)時間:11:00-17:00
会場:三方舎書斎gallery / 母屋〒956-0864 新潟県新潟市秋葉区新津本町3丁目3−12
【同時開催】
◾️書斎ラウンジ(会期中全日)
『燕と虹のためのブックバー』Bar Book BoxBarBookBoxによるオリジナルタンブラー「満たすもの」で、季節のカクテルやウイスキーソーダ。そして、本を。
◾️出店(4/13日のみ)『OldtownDessertCompany』@oldtowndc_niigata沼垂テラス商店街にアトリエを構えるケーキ店。チョコレートケーキ、チーズケーキをメインにご用意いたします。
——–お問合せ
三方舎 tel. 0250-25-3939
https://sps-i.jp/teshigoto/三方舎

『闘将!!拉麺男』という漫画をご存知だろうか。
週間少年ジャンプ『キン肉マン』に出てくるサブキャラクター「ラーメンマン」が独立しフレッシュジャンプで連載されたサブストリーリーだ。
私はこの漫画が好きで、その当時通っていた病院でよく読んでいたことを覚えている。

明日4月5日から、新潟県秋葉区新津三方舎さんで8年ぶりの鎚起銅器職人大橋保隆としての個展が始まる。
今回、鎚起銅器の世界では一般的に普及している動力を使って成形した「ヘラ絞り」銅器に鎚目を入れ仕上げをした商品も株式会社カルチベイトとして紹介する運びとなっている。株式会社カルチベイトは私が株主として3年前に法人化した会社だ。
数年前までは、絶対に取り入れないと言っていたこの「ヘラ絞り」技術。
しかし、230年の鎚起銅器の歴史で玉川堂以来に株式会社化し、「鎚起銅器職人を育てる」という命題を持っている現在。私個人が今も手がけている一枚から叩き上げる本来の鎚起銅器では生産数が少なく、次世代を育てるには下仕事と言われ徐々に腕をあげていける軽作業も少ないのである。
一般的な「ヘラ絞り」鎚起銅器を株式会社カルチベイトでも商品化することで、職人になりやすい環境をつくる取り組みなのだ。

このように考えが変わったのは哲学者であり株式会社ゲンロン創業者の東浩紀さんの『訂正可能性の哲学』の影響が大きい。
私個人は、「本来の一枚から叩く鎚起銅器」に拘泥し、正しいから誰かが引き継いでくれるだろうと考えていたが、数年でも年商150万円で生活できる人間が現代に出会えることはなく。私自身が徒弟制度から考えが抜け出せていない存在だったのだ。
しかし、年商も増え法人化する流れのなかで、私個人としては一枚から叩き続けるが、法人である株式会社カルチベイトとしてはヘラ絞り技術を導入し、一般的な量産できる鎚起銅器をつくるという物語を生成した。それによって、新しく職人を育てることができるだろうと。

今夜4月4日の前夜祭としてのプレゼンと明日から9日間の個展で、今までの私だけを知っている人には新しい取り組みに落胆させることもあるかもしれない。
しかし、法人化し成長してゆく中で見つけた、迂回するけれども本来のつくり方である鎚起銅器職人を育てるという物語は、今後も手を変え品を変え語り続けることだ。語り続けることでいつかこれこそが鎚起銅器技術を継承してゆく道だった。と言われるかもしれない。

きっと、私たちのこの取り組みも、これからも長く続く鎚起銅器の歴史のサブストーリーのひとつでしかないだろう。
ただ、そんなサブストーリーがざわざわと出てくるような喧騒こそが、この世界を豊かにしてくれると教えてくれたのも東浩紀さんである。
感謝の意と共に、その実践としての株式会社カルチベイトの物語を紡ぎ続けてゆきたい。

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3つの手仕事合同展
『ツバメきて虹あらわる』
大橋保隆 展(鎚起銅器)
@tsuikisyokunin
ワダヨシヒト 展(木の生活道具)
@ojn_handmade_hut
手織り絨毯 展(ガズニン/トライバルラグ)
@ghaznin_japan

期間:2025.4/5(土)〜4/13(日)
休み:4/9(水)
時間:11:00-17:00
会場:三方舎書斎gallery / 母屋
〒956-0864 新潟県新潟市秋葉区新津本町3丁目3−12

【同時開催】
◾️書斎ラウンジ(会期中全日)
『燕と虹のためのブックバー』
@barbookbox
BarBookBoxによるオリジナルタンブラー「満たすもの」で、季節のカクテルやウイスキーソーダ。そして、本を。
◾️出店(4/13日のみ)
『OldtownDessertCompany』
@oldtowndc_niigata
沼垂テラス商店街にアトリエを構えるケーキ店。チョコレートケーキ、チーズケーキをメインにご用意いたします。

お問合せ
三方舎 tel. 0250-25-3939
https://sps-i.jp/teshigoto/
@sanpousha

先日開催した、石瀬の家 鎚起銅器道場開設に向けて、先日3日間渡り開催した、三和土づくりワークショップ。あれから1ヶ月が経ち、土と砂利と石灰を混ぜた三和土も、しっかりと固まり、外は暑いですが、三和土は地面と繋がっているので、素足で上がるとひんやりとしています。
これが、昔ながらの三和土の特徴なのかと、実感しました。

そして、昨日はレンガ積みを、設計してくれた新潟市の建築士の羽ヶ崎章さんと、三和土でも活躍してくれた新潟市の大工 Mercyこと高江昌志さん協力のもと行いました。
鎚起銅器は、バーナーで焼き鈍しをして、叩く。そして、また焼き鈍しをするの繰り返しをするので、その際の防火のためのレンガ積みです。

壁面は、寸法を羽ヶ崎さんが割り出してくれていて、Marcyがボードを貼ってくれています。
そこに、不揃いなレンガたちをどう積み上げてゆくのか相談しながら、接着剤で貼り付けてゆきます。

パンにバターを塗る要領で、薄くも厚くもなく、均一に。
そして、壁にぺたりと。

あとは、組み合わせを考えながら、ひたすらに塗っては貼り付けを繰り返してゆきます。
端の方は、レンガの寸法が合わなくなってくるので、Mercyにレンガを切ってもらい合わせながら貼り付けを。暑い中、外でレンガ切りをしてくれたMercyがいなければ、遂行できなかった作業でした。

こちらが完成形。
先日、漆喰を塗った丈夫の壁とレンガが、雰囲気をとても良くしてくれています。

また、この小屋を立てる際に、燕市のR-craftさんにご協力いただき、遮熱シートを提供していただきました。
その遮熱のお陰で、三和土の部屋は、だいぶ暑さが軽減されました。
夏の作業にお困りの工場は、是非導入されると良いかと思います。

みなさんの力出来上がってゆく、鎚起銅器道場。
構造部分は出来上がったので、これから棚や道具を整えて、本格的な道場運営に向けて、進んでゆきます。

昨年の秋に発売しました、鎚起銅器の本「俗物」が、雑誌TURNS(ターンズ)に掲載いただきました。
俗物製作委員会の編集長である、ツバメコーヒー店主田中辰幸さんの文章です。

書店で雑誌を手に取り、記事がどこにあるのだろうと、結構探しましたが、見開きすぐのところに掲載されています。
こちらの記事もお読みいただき、「俗物」を手に取っていただく機会になれば、幸いです。

ミヤムの恋するcooking 宮村ゆかりさんの料理教室 in石瀬の家。締めくくりは、ラム肉料理教室。
ラム肉は、宮村さんが大のおすすめの北海道は東洋肉店さんのものを。

夜の部は、ラム肉を愛する多くの方が集ってくださいました。
今回は、デモンストレーション方式で、焼いたものをみなさんですぐに食べるとゆうことで、いろんな部位をいただきました。
私も食べることに熱中し、写真を撮り忘れているところもあるのですが、後ほど、改めて、私のデザインを一手に引き受けてくれている高橋トオルさんが撮影してくれた会場風景でお伝えしたいと思います。

こちらはラムのミンチをお団子にして、煮込んだもの。

こちらは、私もよくやる、逆ジンギスカン鍋。
銅鍋は、熱伝導率がよいので、脇で肉を焼き、中央に溜まってくる油で野菜を炒めることができます。銅鍋の特性を活かした一品です。

箸休めに、おつまみ蕗の薹も。

ラムチョップなどなど、さまざまなお肉を焼き切ったら、最後はチャーハンを。
こちらもラムの油とサラサラとしたバスマティライスが絶妙で、銅鍋で全体に日が通り、さらりと炒め上がりました。

ラム肉を食べると身体が熱くなる感覚を持ちました。そんなエネルギーが溢れているのかもしれません。
また、自分自身でも銅鍋とラム肉体験してみす。

福岡から来てくださった宮村さんには、二日間に亘り、さまざまなお料理を体験させてもらいました。時間があればつくり続けてしまうとゆう宮村さんには、またご来県いただきたいと思います。
その際には、また多くのご参加を心よりお待ちしております。

月1回ほど、突発!銅器づくり体験を開催してい石瀬の家。
時々、各種イベントも開催しておりますが、それ以外は、会場は訪れることができない場所となっております。
ご来場の際、道がわかりにくい場面もあるかと思いますので、地図と道順をupさせていただきます。

新潟市西蒲区石瀬の中でも、茶屋川とゆう地域になり、その名の通り傍を茶屋川が流れています。
そして、大きな道からの目印になるのも県道2号線沿いの野菜販売所「茶屋川」です。

新潟方面から来られた方は、県道2号線のこの信号を右折します。

その後、カーブミラーを過ぎてすぐの道を斜めに左折します。

茶色い大きな家が出てきたら、そこが石瀬の家。
手前が駐車場となっておりますが、駐車場に入れる際には、道幅狭いため、車を画像左のコンクリートに擦らないよう、くれぐれもご注意ください。

目印の野菜販売所は地元の方がつくられた野菜が販売されていたり、心地よい空間でコーヒーが呑めるので、お時間の余裕を持ってお立ち寄りください。
また、こちらのblogでは、石瀬の家周辺情報もupしております。合わせて岩室を楽しむきっかけにしていただけたら幸いです。

昨日、第1回目となる「突発!銅器づくりin石瀬の家」ご参加いただいたみなさんありがとうございました。
初めての開催とゆうことで、どんな雰囲気で進められるかと思っていましたが新潟市西蒲区岩室のゆったりとした雰囲気に包まれて穏やかで心地よい体験会となりました。
初めてお会いするみなさんも、木槌で形を整え、金鎚で叩き締め。その触感をじっくりと感じられていたように思います。

慣れてきた方は慣れてきた方なりに。今度はこうしてみようとゆうアイディアが湧き出てきてそれに対応させてもらえることも私の楽しみのひとつです。

とゆうことで突発!と言いながら早めの告知をさせていただきます。第2回目は3月4日土曜。
土曜とゆうことで泊まりがけで岩室温泉に来てもらっても良いかと思いますし。製作後に近くの日帰り温泉に使ってもらうのも良いかと思います。
この辺り含め石瀬の家周辺情報は、引き続きblogにてupしてゆきます。

第2回目「石瀬の家銅器づくり」
3月4日土曜の10時〜12時、13時〜16時の間の良いタイミングで。
普段私の銅器づくりで出る端材を活用する「豆皿づくり体験」を主軸として、小皿づくり、銅鍋づくり、真鍮のスプーンづくりなどなど、各種銅器づくり体験。
もし、「こんな銅器をつくってみたい!」とゆうご要望があれば、応えられる範囲で製作いただけます。
本格的な銅器づくりは、春の道場開設をお待ちください。
豆皿づくり 4,000円 60分〜90分
小皿づくり 4,000円 60分〜90分
小さい銅鍋づくり 10,000円 90分〜150分
大きな銅鍋づくり 14,000円 180分〜240分
銅や真鍮の端材計り売り
and more

まずは、参加できそうな方は、お問い合わせフォームより、ご連絡をお待ちしております。近辺には、岩室温泉や弥彦温泉もありますので、宿泊も含め楽しんでいただけたら幸いです。

石瀬地区には、歴史的な場所も多々ありますが、ほっと一息つける場所もあります。
その一つが、この「野菜販売所 茶屋川」さん。
仕事を引退された方が、ご自身で建てられたもので、地元の方々の交流の場所ともなっています。
しっかりとした建物の中には、地域の方々が育てた野菜の販売をメインに、コーヒーが飲めます。こちらのコーヒーも茶屋川さんのオリジナルブレンドで、1杯200円。

「石瀬の家」の整備中のホッと一息。イベント後のほっと一息。などなど、茶屋川さんでの時間は、ゆっくりと豊かに流れます。

野菜販売所では、ルレクチェやキューイフルーツ。銀杏や山菜、大根や白菜などなどの販売がされていて、お陰様で私の食卓も豊かになっています。
弥彦から岩室に抜ける、街道沿いにありますので、お立ち寄りいただき、ほっと一息ついていただけたら嬉しく思います。

野菜販売所 茶屋川さん
10時から15時
定休日 水曜・木曜

石瀬には、古を感じる北国街道が残っており、情緒を感じさせてくれます。
江戸時代、佐渡の金山銀山を運ぶための道として出雲崎までが北国街道として活用されていたようですが、新潟湊が整備されると新潟市内まで北国街道が整備されたとのこと。

その北国街道にあるお蕎麦屋さんが、「わた膳」さん。石瀬の家から車で6分のところにあります。
蕎麦御膳おすすめで、天ぷら、卵焼き、蕎麦寿司がつき、最後には甘味も。

松尾芭蕉や吉田松陰も歩いたと言われる、北国街道。
季節が良くなったら歩いて回りたいと思います。

旧暦新月を迎え、岩室の家(仮)も土地の名前をもらい、新しく「石瀬の家」と命名されました。
石瀬の地は、北国街道沿いとゆうこともあり、由緒ある風情を残しています。
その石瀬の近辺のおすすめの場所を、私なりにお伝えし続けたいと考えています。

第1番目は、私が時々参拝に訪れる弥彦神社を。
越後一宮とも言われる弥彦神社。私は旅の安全願に、日々の感謝をお伝えにと伺います。清々とした空気を持つ弥彦の地。この地域には新しくカフェも増えたりとゆっくりと過ごすには良い地域となっています。
私も、時々、リフレッシュするために数日温泉宿に籠り、頭の中を整理することもあります。

旧暦も新年とゆうことで、仲間と訪れたのは、石瀬から5分の岩室温泉街にある、秀石庵さんへ。
新年に相応しい料理の数々は、京都で修行されてきたご兄弟の腕前。
時間をかけてゆっくりと、美味しいお酒や楽しい会話と共に過ごす時間はエネルギーを与えてくれます。

すっぽんのスープも、上品に。

最後のそばがきまで、堪能させてもらいました。
美しいお料理は、ものづくりに欠かせない要素と私は感じます。今年も、さまざまな場所で勉強させてもらいたいと思います。
「石瀬の家」周辺情報第2弾も、またupしますので、御来家の際には、周辺も合わせて楽しんでいただけたら幸いです。