日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

私の地元、新潟県燕市吉田地区。
この街は、工場の多い燕市のベットタウンとして
とても穏やかな空気を持った街です。

私もこの道に入り、玉川堂の近くに移るまでの22年間を、この吉田町で過ごしました。この街で左官業を営んでいる同級生の関川さんに表札のご依頼をいただき、先日、納めさせていただきましたので、その模様をお伝えします。

まずは、材料から。
表札に使う、玉虫色の銅は、紫金色と呼ばれ、錫を焼き付ける際に、味噌などを付けながら焼く、特殊な方法で材料にします。

裏面は、銅のままの材料です。
裏側に、反転させた文字の輪郭を、写し取ります。

松ヤニ台とゆう、あたためると柔らかくなり、冷めると硬くなる性質のある道具を使と、鏨とゆう何十種類もある鉄の棒と、金鎚を使い徐々に、時々、コンロであたためながら彫り込んでゆきます。

裏面の工程が終わり、灯油で綺麗にあらったら、今度は表面から整えるように、軽く鏨で均してゆきます。
整えたら、四方を折り込み、立体にし奥行きを出したら仕上げに入ります。

仕上げは、硫化カリウムとゆう、温泉の硫黄の成分に近いものをお湯に溶き、漬け込んで真っ黒にしてから、磨き上げます。
磨き上げることによって、文字の部分だけが金色に浮かび上がってきます。
緑青硫酸銅の混合液で2、3分煮込んだら定着。
表面にイボタ蝋とうう、純粋な蝋を塗ったら、完成。

玄関の顔として、御宅の成長とともに、表札も風合いが増してきます。
この色は、緑青が出てきて、落ち着いた色がでてきます。

依頼主の関川さんは、左官職人です。
打ち合わせの際に、仕事場に寄せていただきましたが、ご自身で塗られた壁の完璧さに、その腕の磨く修行の凄さを感じました。
このように、同級生で職人として活躍されている姿に励まされ、私も更に更に精進する励みとなりました。
記念の表札として、心に刻みたいと思います。

昔ながらの技術には、理由があります。
生活を豊かに過ごすための塗り壁。
私も、いつか家を建てる時には、この壁でと、目標ができました。
是非、関川さんのHPも素晴らしいので、ご覧いただけたら幸いです。

関川左官工業 HP
http://sekikawasyagan.com/sekikawa.html

先年の燕三条 工場の祭典に向けて
ツバメコーヒー店主との鏡餅製作会合で出会った
金沢美術工芸大学 大学院生の水島美優さん。
水島さんには、鏡餅の設えを担当していただきました。

また、水島さんがデザインされた (株)ヤマトキ製作所さん製作の
鉄で組み合わせる台座に合うような銅器のドリッパーづくりなどにも参加させていただき、ご縁が深まりました。

そんなご縁の中、この修了制作に合わせ
銅鍋づくり体験の際に参加者さんに、一日の流れをご理解いただけるようなパンフレットをお願いしました。
実際に工房に足を運んでいただき、水島さん自身に銅鍋づくりを体験していただき、その中で生まれた銅鍋の利点や製作上の疑問、そんなものをひとつひとつ積み上げながら、形になったパンフレットです。
シンプルに整理されながら、愛嬌のあるパンフレットに仕上がったと感じます。

それらの製作物の展示が、下記、日程で開催されます。
大学院生と燕三条のものづくりとの共作
是非、実物を金沢でご覧いただけたら幸いに思います。

会 期:平成31年2月14日(木)~2月19日(火)
時 間:10:00~18:00(最終日は17:00まで)
会 場:金沢21世紀美術館 市民ギャラリー

湯沸の蓋も一枚の板から出来上がります。
本体に合わせ、少しずつの擦り合わせ。
鍔をだしたりとゆうところが、この蓋づくりの醍醐味です。

先ずは、いつも通りに、板を切り出し
打ち上げてゆきます。

先につくった湯沸の本体に合わせて、だいたい同じ位の大きさになったら
鍔を出してゆきます。

徐々に徐々に。
湯沸かし本体とのバランスを見ながら、鍔の出方を調整してゆきます。

丸みを整えて、完成。
手順としてはシンプルですが、この擦り合わせに要する時間は多く
経験がものをゆう作業となります。
先日の、湯沸の口作りのblogなどの小道具と言われるパーツを組み合わせ湯沸は出来上がってゆきます。
小道具のバランスで、その職人の特徴がでる湯沸。
生活での使い勝手も含め、1番のオススメの銅器です。

先日
お客様のご注文で銅のぐい呑に
銀メッキや金メッキを施すそんな器を作らせていただきました。
初めてのことで様々な勉強が必要でしたが
仕上げてみると今までの錫を手でメッキしていたものと違い
電気メッキの処理でぴったりと全体に塗膜ができているようです。

手での錫メッキですと、細かい気泡ができており
銅の効果も表に現れると言われています。

変わりに、この電気デッキですと、銅特有の香りが気になる方や
お酒の味が変わることを好まれないお客様には
こちらをお勧めしたいと思います。

銅の素材感や鎚目、肌触りなどはそのままに
それぞれの役割で、特徴をお伝えしながら選んでいたける
またひとつ幅が広がりました。

この様に、今年は基本的な鎚起銅器の技術を大切にしながら
今までの鎚起銅器の枠にとらわれずに
様々に素材との対話や新しい技術を取り込んでゆきたいと思います。

先日、新潟市の観光名所のひとつピア万代に店舗を構える
Deli&restaurant piatto giorniさんのイベント
夜ジョルニの鍋コースに参加させていただきました。

1日1組限定の鍋コースは
地元の食材をふんだんに使ったあたか鍋。
先ずは、前菜のデリの三点盛りから
新潟県で醸造される胎内ワインと共に。

こちらの銅鍋は、先年ジョルニさんで企画してもらった
銅鍋づくり体験の際に生まれた鍋で
ご自身でつくられた鍋で、ふるまわれる料理は
なんて素敵なんだろうと感じる次第です。

その鍋にたくさん並べられた
豊栄の宮尾農園さんの平飼い鶏のつくねは優しい味わい。
出汁も効いてます。
そして、新潟の地元野菜を投入。
初体験の松山揚げが、口の中でとろけて、衝撃的な食感でした。

締めには、新潟県田上町のふなくぼ農園さんの米麺。
この日、ご一緒した船久保さん。
スーパーマーケットから転職し、就農されて志の高い方で
とても優しく農業を営まれています。

パクチーや、オリーブオイル、黒胡椒など
いろんな味わいに挑戦でき、締めも楽しいひとときとなりました。

今回の鍋コースで、銅鍋の火のまわる速さや、温度の復帰の早さ。
素材の旨味を引き出してくれることを実感することで
今年も各地に伺い、てづくり銅鍋を広めるためのエネルギーをいただきました。

3月から、東京を皮切りに、福岡、広島、愛知、岐阜、山梨、兵庫と
各地に伺わせていただきます。
そんなご報告も、このblogでupしてゆきますので、チェックしていただけたら幸いです。

ジョルニさん、この度は素敵な企画
心も身体もあったまりご馳走様でした。

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2月2日土曜、3日日曜と
新潟市にあるDekky401さんにて
盃づくりの体験会を開催させていただきました。

日本酒に欠かせない盃。
ご自身の手から生まれた器で、日々の晩酌を楽しんでいただけたらと
時々、呼んでいただく機会がございます。
銅鍋ほど、大きな音がでるわけでもなく、スペーズも2畳ほどもあればできる体験会として、ご好評をいただいております。

また、同時開催として
今回、この企画にお声がけいただいた
地酒の都屋さんが、酒401の陣として出店もされ、地酒の試飲も好評に。

私の器を使っての試飲もあり
鎚起銅器を身近に感じていただく、ありがたい機会となりました。

地酒の都屋様では、実店舗に於いても試飲などあり
地酒の良さを伝えてくださっております。
blogも美味しい新潟情報を伝えてくださっておりますので
是非、ご覧ください。
また、私の製作した鎚起銅器も販売いていただいております。
新潟にお越しの際には、センスの素晴らしい店舗に
足をはこんでいただけたら幸いです。

地酒の都屋
新潟市親松2−3
025-285-0761
https://www.niigata-miyakoya.jp/


2017年は、職人として20年、独立して10年の節目の年として
7月に新潟県秋葉区 三方舎様の個展に始り
8月 福島県猪苗代 Roots shop様
9月 群馬県前橋市AVANTI様
10月 新潟県燕市 ツバメコーヒー様でと
4会場で個展を開催させていただきました。

その旅の想い出を振り返りながら
写真と共に。

2017年は
銅鍋づくり体験西日本ツアーとして、11月23日木曜から12月3日まで
倉敷に始り、岡山、大三島、尾道、笠岡、博多、奈良と巡らせていただきました。

西日本での銅鍋づくり体験は、初めての出張。
各会場、西日本の暖かな気候で
あたたかな皆様にお招き頂き
多くの銅鍋を生み出す事が出来ました

岡山での銅鍋づくり風景。

瀬戸大橋を渡り、四国へ渡り
香川県、愛媛県と
またご縁を繋いでいただきました

尾道では、気持ちの良い公園で、紅葉に囲まれながら
芝生の上での製作になりました。

福岡会場では、二日間に渡り開催。
主催のミヤムの恋するcooking 宮村様には
一日目に作った銅鍋で
二日目の美味しいカレーランチを作っていただきました。
スパイスを炒める際には、熱の火加減の調整に直ぐ反応してくれる銅鍋が良いとの乾燥を頂きました。

しまなみ海道から、フェリーに乗り今治へ。
この旅では、瀬戸内海の島々も渡り歩き渡らせていただき
この地方の風景をいっぱいに感じる事ができました。

九州、山陽から一路関西へ。
奈良会場では、茶畑の横の広場が会場に。
参加者さんのその後の様子は
こちらのFacebookページに。
鎚起銅器てづくり銅鍋愛好会

みなさんの活用いただいている模様がご覧頂けます。
各会場、反響をいただき、また今年も寄せていただく機会ができそうです。
その際、ご縁のあるみなさん、また一枚の銅板から生み出される銅鍋の感触を
一緒に味わっていただけたら幸いです。

今年も春から、東京、愛知、岐阜、山梨、広島、福岡と
お声がけいただいております。
各地でお会いできるみなさん、心よりお待ちしております。

鎚起銅器では
一枚の銅板から叩き上げる際には
大きめの金鎚を使い。
整形の段階に入ると
段階的に小さい金鎚で表面を均す作業に入ってゆきます。

その均し鎚(仕上げ用金鎚)のお手入れを
先日、行いました。

まずは、紙やすりで
ある程度、今までついた小さな傷などを取り除きます。

その後、砥石を使い
だんだんと、細かいもので研ぎあげゆきます

この砥石は、鏨とゆう彫金で使う鉄の棒を
研ぎ上げるときにも使います。

そして、工房にある唯3つの機械のひとつ
バフで磨き上げて完成となります。

自分の顔が映るくらいに、ピカピカに磨き上げます。
このピカピカで、器を叩くことによって反転し
銅器も輝きを出すわけです。

器を叩くことによって反転する
と考えると
自分自身も磨き上げなくては
と思う今日この頃です。

今年の1月半ばより
鎚起銅器職人志願の26歳男子を、弟子として引き受けることになりました。
年齢で言えば、職人としては遅い始まりかもしれませんが
そこをカバーするのは、熱意と絶えず繰り返し繰り返すこと。
技術の練磨は、頭を使い、身体を活かすことで
いくらでも差は埋められると思います。

きっと、鎚起銅器は誰でも習得できる技術と思います。
ただ、そこに行き着くまで練磨できるか、辞めてしまうか
その環境をつくれるか次第なのだろうと思います。
まだまだ、始まったばかり。
これからの成長を、より多くの方に支えていただけたら幸いです。

職人としての修行の始まり
今は、材料を切ったり、鑢(やすり)がけをしたりと
下仕事を覚える段階。
この仕事を増やすことで、腕も上がると思い企画をしました。

豆皿1000本ノック。
豆皿は、材料を切り出す。

銅板に錫を塗る。

錫を焼き付ける。

そして、私が成形後、形を整えるために鑢をかける。
そんな下仕事があります。
まだまだ、金鎚を持つには、時間がかかると思いますが
金鎚が持てるまで、彼にはこの下仕事が糧となります。

この「鎚起銅器職人を育てる豆皿」を
是非、多くの方に手にしていただけたら幸いです。
つきましては、2月4日月曜日より、この豆皿を販売いたします。

お名前、ご住所、お申し込み枚数をご記入の上、お申し込みください。
豆皿の形は多様ですが、形はこちらで選ばさせていただきけたらと思います。https://tsuiki-oohashi.com/contact/

これからの燕三条の技術を支える職人
応援のほど、心よりお待ちしております。

【銅鍋づくり体験】
 鎚起銅器銅鍋づくり体験 in三条 3/17(日)

3月
10日日曜 春の銅鍋作り・残1席 
      ハーブランドシーズン様にて開催
23日土曜 銅鍋づくり 東京
24日日曜 銅鍋づくり 東京

4月
13日土曜 銅鍋づくり
      https://www.facebook.com/events/392338974875930/
20日土曜 叩いて叩いて銅板手作り鍋の会 in山梨

5月
11日土曜、12日日曜 福岡
18日土曜〜21日火曜 広島

3月
 20日水曜 てづくり銅鍋料理教室
  https://www.facebook.com/events/787455071621274/
  21日水曜祝日 Rawカレー教室
https://www.facebook.com/events/2265647307041580/
21日木曜祝日 Rawスイーツ教室
https://www.facebook.com/events/282550862438200/


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【常設展示】
ヒメミズキ
(新潟県新潟市中央区中央区古町通2番町528)
 カップ、片口、盃、ミルクパン、スプーン、豆皿等

ツバメコーヒー
(新潟県燕市吉田2760−1)
 ニュートラルカップ、スタッキングカップ、盆

Bar Book Box
(新潟県中央区西堀通3−802−3)
 とりちろり、カップ、豆皿

地酒の都屋
(新潟県新潟市中央区親松2−3)
 デザイナー石川経治さんとの競作 盃、ぐい呑

福島県
家づくりと暮らしの学校 Roots 猪苗代
(福島県耶麻郡猪苗代町清水前2748−1)
 カップ、片口、盃、ミルクパン、スプーン、豆皿等

群馬県
Avanti
(群馬県前橋市千代田町3丁目6−15)
 オーダーメイドピッチャー、オリジナル皿、豆皿