日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

湯沸と水差しの違い

2022.03.05

本日は啓蟄。
新潟県燕市は、新潟の中でも越後平野の真ん中。私が子供の頃は、たくさんの雪が降りましたが、昨今はそれほどの降雪もなく。穏やかな春を過ごしております。そんな穏やかな土曜日に、気になっていたことを、blogにまとめておききます。

それは、湯沸と水差しの違いについて。
みなさんは、どのような点で湯沸と水差しを見分けられているでしょうか?
現代は、なかなか水差しを使うような場面も少ないと思いますが、私は水道の蛇口から父の作った水差しに注ぎ、そこから水を飲んでいます。また、湯沸へ水と注ぐ際にも水差しを使います。
銅のイオン効果で、水が円やかになり、甘味も出るように感じます。個人的な感想となりますが。

さて、こちらをご覧いただいて。
右側が先輩につくっていただいた、水差し。
左側が私がつくった湯沸。
この二つは、対照的で違いの分かりやすい水差しと湯沸ですが、それらの違いの基本は同じです。
まずは、水差しは底の直径がが小さく、湯沸は大きいです。この違いは湯沸は火が当たり易くなることで銅器の特徴である熱伝導率の良さが発揮されます。
また、水差しは形の面白さを表現するために、高台をつけたり、底の裏に段を付けたりする場合もあります。

次には、分かりやすいのは、取っ手部分。
水差しは横に手が付いているものがあります。また熱くなるわけではないので、銅そのままの一体式です。
湯沸は、上手に取っ手が付いており、熱くなるので何某かの保護をされています。こちらの場合は、籐蔓が巻かれて本体が熱を持っても注げるようになっています。

この2点で、大体がわかります。
また、湯沸のような形でも注ぎ口に蓋がついている場合もありますのが、それは水差しとなります。
水差しを湯沸にするのは難しいですが、湯沸を水差し代わりに使う方もおられます。
お使い方はご自由ですので、どのように使われても良いのですが、この違いを理解していると道具への理解が深まれば幸いです。

一番最初の写真は、燕の大先輩の職人が製作した口打ち出し湯沸。
胴体の丸み、口の位置、口の膨らみと反り具合。どれをとっても私好みで在り、高い技術が詰め込まれています。
1番のお気に入りの湯沸です。