日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

この10月7日、販売を開始した鎚起銅器の本「俗物」も、ご予約いただいた方々にも発送させていただき。製作に関わってくださった各方面の方々に手に取っていただいております。
引き続き、販売サイトで特装版、普及版共に販売を続けております。
鎚起銅器の本「俗物」販売サイト

こちらの「俗物」は、長野県松本市の藤原印刷さんに、3年ほど伴走していただき完成することができまいた。
帯をつけることも、9月の上旬ぎりぎりに松本に俗物製作メンバーと伺い決めました。
10月の7日販売に間に合わせるためには、こちら俗物製作メンバーでの手巻きでの販売となりました。引き続き、ご注文がある毎に私が手巻きをしてお送りしております。

また、出版に際して俗物グッズを製作しました。
タオルは、愛媛県今治市のイケウチオーガニックさんのオーガニックタオル。
そのタオルに新潟県五泉市の企業さんに刺繍を施していただきました。
刺繍の模様は、東京の書家 華雪さんの篆刻を。

こちらの俗物バッチも、五泉市の企業さんに依頼し、土台から刺繍と全てをまかっていただき、気軽に俗物を胸に付けていただけます。

何故、私たちが鎚起銅器の本「俗物」をつくったのか?
こちらのnoteで、俗物製作委員会メンバーで全ての編集をまかってくれた、ツバメコーヒー店主 田中辰幸さんの文章を読んでいただけたら幸いです。
工場の祭典で、田中さんの企画デザインしたものを、私が製作していました。その中で、「田中さんのまとまった文章を読みたい。」とゆう私の欲望が、形になったの「俗物」でもあります。

この10月までは、1ヶ月にわたる2022年秋の西日本ツアーから、「俗物」出版まで、様々なことがあり、ゆっくりと記事を書くこともできず。私が観てきた風景もなかなかまとめることができませんでした。
なので、意識的にこの春からの旅の振り返りをしてみたいと思います。
まずは、東京の絵描きの仲間 長友心平さんと行った4月の皇居見学から。

江戸城から皇居へ。
500年前のその趣を感じさせる場。この東京の真ん中に在るとゆうことの凄さを感じます。

宮内庁。
いつかまた訪れる気がします。その際には職人としての来訪でありたいと願いながら。

とても気になる塔は、松の塔と呼ばれるとのこと。

テレビなどでよく見る、場所も間近に感じることができるツアーです。

気になるテクスチャもたくさんあります。

長友心平さんとは、2004年の中越地震の際に、現地でのボランティアで知り合いました。私は、まだ独立する前の玉川堂時代。
東京に行く旅に、長友さんのアパートに寄せてもらい、いろんなことを語りながら、励まし合いながら、ここまでお互いにものづくりを続けられていることを、このblogを書きながら感じました。
また、長友さんとは、いつか日本各地へ旅に出て、人生を振り返りながら語り合いたいと思っています。

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おじさん二人の皇居観覧ツアー。
とても良い時間でした。

本日2022年9月20日。
夕刻5時30分にタイムカードを押したら、鎚起銅器職人の道に入り丸25年2007年に独立して15年を経たことになります。
振り返ってみれば、崇高な志があったわけではなく、父が勤めている親戚の鎚起銅器の会社に転がり込み。ただひたすらに目の前のことを一所懸命に過ごしていたら、今ここに辿り着いた。そんな心持ちです。
でも、そんな道程で沢山の方々と出会い。そのご縁の中で見つけることができた人生の宝物は、今確かにこの手の中に在ると感じています。

4年前より鎚起銅器に関する本を近所のコーヒー屋と企画していました。燕三条で毎年10月に開催されていた工場の祭典に際して、彼が企画し私が銅器製作をしていた数年の道程を1冊の本にまとめようとゆう事がきっかけです。
当初はもっと簡素なものとなるつもりでしたが。どうせならこんな試みもどうだろうか?この方にも文章をお願いしてみたい。と積み上げてけきたら
「俗物」このような本が出来上がりました。
https://tsuiki-oohashi.com/book
10月7日から始まる2022年工場の祭典より発売します。

特に予算があったわけではなく。自分たちのやりたいことを詰め込んで、印刷屋さんからの見積もりをもらった際。「これは墓石を買うようなもんだな。」と思いました。
私が資金は出しましたが、自分の意思でこの本ができた。とゆうよりも、製作委員のみんなでこの本とゆう人格を一緒に考え、一所懸命に積み上げてきたらここに辿り着いた。といった感触です。
この本特に私が文章を書いているわけではありません。依頼させてもらった執筆者のみなさんに鎚起銅器に触れていただきそれにまつわる文章を寄せていただきました。

日々、職人としては独り、一所懸命に積み上げてきましたが、この本は企画を一緒に始めたツバメコーヒー 田中辰幸。デザインを担当してくれたツムジグラフィカ 高橋トオル。私たちの手綱を引っ張ってくれた 編集 佐藤裕美。製作委員会 4人の力を合わせ一所懸命に積み上げてきました。
この本をひとつの節目としてまた職人として26年目も一所懸命に積み上げてゆきます。

このメンバーで形にした本「俗物」是非是非一人でも多くの方に手に取っていただきたいと思っています。
何故「俗物」とゆうタイトルなのか?は、田中さんの文章をお読みください。
https://note.com/zokubutsu220920/

詳細やお申し込みなどにつきましては、HPの特設ページをご覧いただけたら幸いです。
今日から予約を開始し、10月6日までは事前予約にて、送料無料で俗物グッズもプレゼントさせていただきます。
【事前予約限定・特典タオル付】『俗物』鎚目銅板付き特装版セット(送料込)¥16,500 税込
【事前予約限定・特典バッジ付】『俗物』普及版セット(送料込)¥5,500 税込

私とmailのやりとりをしながら予約をしてくださる方は↓より
「俗物」HP
https://tsuiki-oohashi.com/book
現代的にポチッと買ってくださる方は↓より
俗物ストアーズ
https://zokubutsu220920.stores.jp/

このHPページやnoteでは徐々にこの本に纏わる動画や文章をupしてゆきますのでそれも楽しんでいただけたら幸いです。

兎にも角にも、鎚起銅器職人大橋保隆26年目。
明日からも一所懸命です。
またご縁のある皆様のご指導ご鞭撻の程何卒よろしくお願い致します。
2022年9月20日
大橋保隆 拝


執筆者:
 大倉 宏(美術評論家)
 華雪(書家)
 木村 衣有子(文筆家)
 鞍田 崇(哲学者
 高木 崇雄(「工藝風向」店主)
 田中 辰幸(ツバメコーヒー店主)
 富井 貴志(木工家)
 三谷 龍二(木工家)
鼎談:
 山田立(玉川堂 番頭)
 佐藤大介(あららぎ 店主)
印刷: 藤原印刷株式会社
発行: 「俗物」製作委員会

以前は、湯沸などによく使われていた「出し摘み」の製作をさせていただいたので、その工程を記しておきます。
よく使われていた、とゆうだけに。今はつくる職人さんもほぼいないでしょう。
今は、木製のものの方が使いやすいですし、実用的です。また私も普段の製作では銅と比べて熱伝導率が小さい、真鍮の摘みを使っています。
今回は、「湯呑みの蓋のイメージで製作してほしい」とゆう依頼があり、製作させてもらいました。

製作は、至ってシンプルですが、徐々に肉を中心に集めるとゆう作業を繰り返します。
1ミリの材料を使いましたが、この厚みの中でも肉をあっちに集めたり、こっちに寄せたり。とゆうことを繰り返しています。

徐々に中心に肉を集め、高さを出します。
高さを出したら、摘みの特徴であるくびれを付ける。

最後に全体を整えたら完成。
私も十数年ぶりに、この作業を行いましたが、やはり身体が覚えているものですね。
そして、自分の製作物に活かしてみたい技術だと感じました。また、様々に試してみたいと思います。

この秋も、滋賀から鹿児島へと銅鍋づくり体験を西日本各地で開催していただくことになりました。
お陰様でこのツアーも福岡に伺い始めてから5年となりました。
今回は、25周年とゆうことで、いつもより多めに巡らせていただきます。
各地での詳細は、FBイベントページでご確認ください。
また、参加者さんがご自身でつくりだした銅鍋でお料理をされているFBグループ 鎚起銅器てづくり銅鍋愛好会もあります。みなさんの楽しんでくださっている模様がとても嬉しいページです。「どんな銅鍋をつくりたいのか?」参考にしていただけたら幸いです。

9月
7日水曜 滋賀 https://www.facebook.com/sachihiraki715
8日木曜 
9日金曜
10日土曜 名古屋 https://www.facebook.com/events/1516596255437474/
11日日曜
12日月曜
13日火曜 移動
14日水曜 移動
15日木曜 福岡 https://www.facebook.com/events/828840861436483
16日金曜 福岡 https://www.facebook.com/events/828840861436483
17日土曜 福岡 https://www.facebook.com/events/828840861436483
18日日曜 移動
19日月曜 熊本 https://www.facebook.com/events/828840861436483
20日火曜 熊本 https://www.facebook.com/events/828840861436483
21日水曜 移動
22日木曜 移動
23日金祝 霧島 満席
24日土曜 霧島 満席
25日日曜 岡山 https://www.facebook.com/events/408396534513050
26日月曜 移動
27日火曜 今治 https://www.facebook.com/events/5777881545607888
28日水曜 大阪 https://www.facebook.com/events/603559017875429
29日木曜 
30日金曜
10月
1日土曜 
2日日曜 堺 https://www.facebook.com/events/758578332035751
3日月曜
4日火曜
5日水曜 滋賀 https://www.facebook.com/events/s/398248529087102/

また日程の空きの日もありますので、ご自身の地元で主催をしてくださる方が居られましたら、お気軽にご連絡ください。
詳細は、以下より。
銅鍋づくり体験の模様https://tsuiki-oohashi.com/2019/07/11/3122/
銅鍋づくり体験についてhttps://tsuiki-oohashi.com/2019/01/13/2361/
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

鎚起銅器に触れていただける機会として。また、ご自身で道具を生み出す喜びやその道具で料理をする楽しみを体験していただく機会として、30センチの銅板をひたすらに叩いて、銅鍋をつくり上げる体験会を開催しております。

8月20日土曜は、新潟県燕市吉田 株式会社オシアさんにて。
アウトドアでも使える銅鍋づくり体験

8月21日日曜、三条ものづくり学校さんで。
鎚起銅器 銅鍋づくり体験会in三条 8/21(日)

9月4日日曜、同じく三条ものづくり学校さんにて。
鎚起銅器 銅鍋づくり体験会in三条 9/4(日)

銅鍋づくり体験に参加していただいた、参加者さんのその後の模様は、こちらフェイスブックページの鎚起銅器てづくり銅鍋愛好会をご覧ください。
銅とゆう素材の特性を活かしてくれる鍋。
生活に取り入れてもらえたら幸いです。

航空会社 PEACEの機内誌として、季節毎に発刊されているPRACE LIVE。この夏の特集は新潟。とゆうことで、私も取材をしていただきました。本日より、WEB版も発信されています。
新潟県で活躍されている各地の顔見知りの方々も掲載されておりますので、是非ご覧いただけたら幸いです。
また、色々が落ち着いたらゆっくりと新潟を楽しみにご来県いただけたら幸いです。

https://peachlive.flypeach.com/area/niigata/PL29_culture_interview

湯沸の弦は、強度を持たせるため、また熱さを逃すために、中空構造になっています。
その製作も、ゲージを使ってのまた切り出しから。

鉄の棒と溝を使い、ある程度のきっかけをつくり、あとは木槌で丸め、形をつくってゆきます。

繋ぎ目を銀ロウで溶接し、錫を溶かして流し込みます。錫を流し込むことで、安定した成形ができるようになります。

上がり盤とゆう欅の盤にちょうど良い穴が空いており、その穴を使いながら丸みをとる。

あとは、本体と擦り合わせをし、穴を開けたら取り付け可能。
この本体の接合部とのバネの聞かせ方も、職人の個性が出ます。長年使ってもヘタレないような程よい取り付け具合で、仕上げに。

籐の弦を巻いて完成となります。

先日、新潟県新発田市 長徳寺さんで開催された「そうだ 長徳寺 いこう。」のイベントに向けて、真鍮のおりんづくり。
真鍮とゆう素材は、銅と亜鉛を混ぜた素材で、銅8:亜鉛2、銅7:亜鉛3など、その用途によって配合が変わる素材です。また、銅よりも硬く、扱い方によっては割れてしまう素材でもあります。
今回は、久しぶりに真鍮に挑みます。

おりんは、良い音を出すために厚材を使います。普段は0.8ミリから1.2ミリ。暑くても1.5ミリほどの銅材を使いますが、今回は2ミリの真鍮材を。

厚みがあれば、その分、立ち上がりも少なく、徐々に形になります。
製作方法は、銅と同じですが、バーナーで焼きなましをして覚ます際、銅は水に入れて急冷できますが、真鍮は放置して冷ます徐冷させなければ、割れてしまいます。これも合金の面白いところであり、難しいところ。
因みに、小さい真鍮のおりんも作ろうと思いますが、こちらは3ミリの素材で割れてしまいました。

磨いて完成。
こんな音のおりんとなりました。

おりんの棒は、出雲崎のOjn Handmade Hutさんにつくっていただきました。
形や厚みによって違う音色。また機会をつくり、つくってみたいと思います。

この6月25日土曜、26日日曜に新潟県新発田市でかいさいされる、「しばた 寺 びらき」の一環としてのイベント、長徳寺さんで開催される「そうだ 長徳寺 いこう。」に参加させていただきますが、その際に新展開のリリースをさせていただきます。

鎚起銅器と言いますと、着色もひとつの特徴があります。着色と言っても色を塗るわけではなく、表面を綺麗にし、混合液で煮込むことで安定した錆を出すといったイメージです。
私のつくる商品の場合は、月色という錫を焼き付けた銀色っぽいものと、土色いう銅そのままの色の2色が大別としてあります。

「その着色をしなくても、鎚起銅器は鎚起銅器ではないか?」ただ、素のままでだすのは、指紋がつきやすく美しくなるまでには何十年もかかってしまうと感じますので、地元の企業さんにお願いし、今回金メッキを施してみました。

なかなか写真ではお伝えしづらいところがあるのですが、金はとても安定した金属で、しゃぶしゃぶ鍋にも使われますが、金からは食材に影響を与えにくい、ほぼ与えないといってもいいかもしれませんが、その金の鍋でしゃぶしゃぶをすることで繊細な香りが保たれると言われています。

仏像の表面に金メッキが施されるのも、永遠を象徴しているからこそだと思います。
また、宇宙ロケットの部品の一部に金メッキが使われたりと安定性を求める場所ではとても活躍する金。

今回は、長徳寺さんとゆう空間で、この今までの着色をしない金メッキの豆皿などをお届けします。
心落ち着く場所で、金の魅力にも触れていただけたら幸いです。