日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

カテゴリー〈 製作 〉

本日2022年9月20日。
夕刻5時30分にタイムカードを押したら、鎚起銅器職人の道に入り丸25年2007年に独立して15年を経たことになります。
振り返ってみれば、崇高な志があったわけではなく、父が勤めている親戚の鎚起銅器の会社に転がり込み。ただひたすらに目の前のことを一所懸命に過ごしていたら、今ここに辿り着いた。そんな心持ちです。
でも、そんな道程で沢山の方々と出会い。そのご縁の中で見つけることができた人生の宝物は、今確かにこの手の中に在ると感じています。

4年前より鎚起銅器に関する本を近所のコーヒー屋と企画していました。燕三条で毎年10月に開催されていた工場の祭典に際して、彼が企画し私が銅器製作をしていた数年の道程を1冊の本にまとめようとゆう事がきっかけです。
当初はもっと簡素なものとなるつもりでしたが。どうせならこんな試みもどうだろうか?この方にも文章をお願いしてみたい。と積み上げてけきたら
「俗物」このような本が出来上がりました。
https://tsuiki-oohashi.com/book
10月7日から始まる2022年工場の祭典より発売します。

特に予算があったわけではなく。自分たちのやりたいことを詰め込んで、印刷屋さんからの見積もりをもらった際。「これは墓石を買うようなもんだな。」と思いました。
私が資金は出しましたが、自分の意思でこの本ができた。とゆうよりも、製作委員のみんなでこの本とゆう人格を一緒に考え、一所懸命に積み上げてきたらここに辿り着いた。といった感触です。
この本特に私が文章を書いているわけではありません。依頼させてもらった執筆者のみなさんに鎚起銅器に触れていただきそれにまつわる文章を寄せていただきました。

日々、職人としては独り、一所懸命に積み上げてきましたが、この本は企画を一緒に始めたツバメコーヒー 田中辰幸。デザインを担当してくれたツムジグラフィカ 高橋トオル。私たちの手綱を引っ張ってくれた 編集 佐藤裕美。製作委員会 4人の力を合わせ一所懸命に積み上げてきました。
この本をひとつの節目としてまた職人として26年目も一所懸命に積み上げてゆきます。

このメンバーで形にした本「俗物」是非是非一人でも多くの方に手に取っていただきたいと思っています。
何故「俗物」とゆうタイトルなのか?は、田中さんの文章をお読みください。
https://note.com/zokubutsu220920/

詳細やお申し込みなどにつきましては、HPの特設ページをご覧いただけたら幸いです。
今日から予約を開始し、10月6日までは事前予約にて、送料無料で俗物グッズもプレゼントさせていただきます。
【事前予約限定・特典タオル付】『俗物』鎚目銅板付き特装版セット(送料込)¥16,500 税込
【事前予約限定・特典バッジ付】『俗物』普及版セット(送料込)¥5,500 税込

私とmailのやりとりをしながら予約をしてくださる方は↓より
「俗物」HP
https://tsuiki-oohashi.com/book
現代的にポチッと買ってくださる方は↓より
俗物ストアーズ
https://zokubutsu220920.stores.jp/

このHPページやnoteでは徐々にこの本に纏わる動画や文章をupしてゆきますのでそれも楽しんでいただけたら幸いです。

兎にも角にも、鎚起銅器職人大橋保隆26年目。
明日からも一所懸命です。
またご縁のある皆様のご指導ご鞭撻の程何卒よろしくお願い致します。
2022年9月20日
大橋保隆 拝


執筆者:
 大倉 宏(美術評論家)
 華雪(書家)
 木村 衣有子(文筆家)
 鞍田 崇(哲学者
 高木 崇雄(「工藝風向」店主)
 田中 辰幸(ツバメコーヒー店主)
 富井 貴志(木工家)
 三谷 龍二(木工家)
鼎談:
 山田立(玉川堂 番頭)
 佐藤大介(あららぎ 店主)
印刷: 藤原印刷株式会社
発行: 「俗物」製作委員会

以前は、湯沸などによく使われていた「出し摘み」の製作をさせていただいたので、その工程を記しておきます。
よく使われていた、とゆうだけに。今はつくる職人さんもほぼいないでしょう。
今は、木製のものの方が使いやすいですし、実用的です。また私も普段の製作では銅と比べて熱伝導率が小さい、真鍮の摘みを使っています。
今回は、「湯呑みの蓋のイメージで製作してほしい」とゆう依頼があり、製作させてもらいました。

製作は、至ってシンプルですが、徐々に肉を中心に集めるとゆう作業を繰り返します。
1ミリの材料を使いましたが、この厚みの中でも肉をあっちに集めたり、こっちに寄せたり。とゆうことを繰り返しています。

徐々に中心に肉を集め、高さを出します。
高さを出したら、摘みの特徴であるくびれを付ける。

最後に全体を整えたら完成。
私も十数年ぶりに、この作業を行いましたが、やはり身体が覚えているものですね。
そして、自分の製作物に活かしてみたい技術だと感じました。また、様々に試してみたいと思います。