日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

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鎚起銅器の仕上げにおいて、漆をかけることがあります。
何故、漆をかけるのか。
色艶に深みを増し、堅牢な色となります。

仕上げの内容としては、普段と同じように、器が完成したら綺麗に磨き、硫化カリュウムの水溶液の中に漬け込むことによって黒くします。

その後、艶を出すように磨き込み。
緑青硫酸銅の水溶液を沸かし、2分ほど銅器を煮込みます。

よく乾かし、ゆるく熱しながら漆を伸ばし塗ってゆきます。
全体的に漆が行き渡ったら、ムラの無いように全て拭き取り、その後、釜を被せて最弱の弱火で1時間。

最後にイボタ蝋とゆう純粋な蝋を塗ることで、艶がまします。
この辺りは、普段の銅器と同じ最終工程。
漆を塗ることで、深い艶感がでてきます。
今回は水盆とゆうことで、水滴などの後が出にくいように、このように漆をかける作業を入れました。
その使い勝手によって、鎚起銅器製作工程も幅をもって進めてゆきますので、ご相談ください。

謹賀新年

2022.01.01

明けましておめでとうございます。
寅年の今年はどんな年になるだろうか?どんな年にしたいだろうか?と、毎年恒例のマインドマップを描きあげました。
マインドマップは、中心にテーマとなる模様を描き込み、その後にテーマに沿った言葉を連ねてゆくことで、今現在の頭の中を整理する取り組みと捉えます。
毎年、元旦の朝からこのマインドマップに取り組み、今自分にある言葉を取り出してみて、今年の方針を考えます。
画像上部は、昨年のマインドマップ。
画像上部は、今年のマインドマップ。
昨年は、生活から派生した言葉がが大きな部分を占めていましたが、今年は、仕事をから派生した言葉が半分以上を占めました。
この中で感じたことを足元に、今年も一歩一歩と積み上げてゆきます。

今年は、職人となり25年の節目を迎えます。
昨年は、湯沸や薬缶をたくさんつくらせていただき、学び深い歳となりました。
先日のblogで、来年の目標のひとつとして、口打ち出し湯沸の私なりの理想の形をつくってみようと掲げました。
それと共に、今年は鎚起銅器に関する本「俗物」の出版も予定されています。
その出版に伴い執筆者のみなさんとのトークイベントも企画してゆきたいと考えています。
また、その本やイベント詳細につきましては、HP上でお伝えしてゆきます。

節目の年と言いましても、職人として日々変わらずに、日常のこととしてお客様のご依頼に添えるように、技術を研鑽し生活を寄り添った器づくりを進めてゆきます。
2022年もどうぞよろしくお願い致します。

大橋保隆 拝