日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

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先日に引き続き、工房改装のその後を。
解体作業から一転、今回からは天井や壁の張り替え作業に入ります。
張り替えの前に、電灯の位置変えのための配線。途中の作業はカオス一色となっていました。

電気屋さんの配線の後に、新潟市松浜のアトリエnico基礎部分を付け込んでもらいます。

その基礎部分に、木工ボンドで養生しつつ、真鍮の釘を一本一本手打ちをしてゆきます。
この作業を、機械的にバンバンバンっと打ち込むこともできるようですが、私の感覚を共有してくれている羽ヶ崎さんは、真鍮の釘を打ち付けてゆくことを提案してくれました。

寸法を測り、印をつけ、一本一本、丁寧に釘打ち。
釘目の姿は、みんなの汗の結晶として、美しく並んでいます。



天井が完了したら、壁面へと移行して行きます。
壁面は工房の延長らしく、ベニヤ板を寸法に切りながらの嵌め込み。
家もそれぞれの場所で、微妙な寸法違いがあり、カッターで切った後に、ヤスリで調整しながらの作業になってゆきます。
そして、また真鍮釘の打ち付け。

吊り戸棚も、表面の白い板を剥がし、サンドペーパーで磨いて滑らかにし、亜麻仁油で深みをだします。色が整ってきました。
この辺りの自然さも、羽ヶ崎さんが提案してくれ、ありがたい限りです。

大枠の外装作業が終わったら、各種取り付け作業。
シンクや換気扇、点検孔などなど、だんだんと形が見えてきます。
Part3に続く。

2019年
新たな試みは、工房の改装です。
玉川堂をきっかけに、職人は1分でも近くに住んだ方が良い。
それだけ、仕事に集中しなさい、とゆう父の言葉と共に、20年前よりこの場所に住み、12年ほど前に独立してからも、ここに工房を構え、仕事を続けて来ました。
1分でも近くに住んだ方が良い、ところから、起きたらすぐに仕事ができる環境で12年。
そろそろ、仕事場とプライベートスペースを分けつつ、お客様に更に銅器に触れていただく機会が増えるようにと、工房改装に取り掛かりました。
一緒に改装を進めてくれるのは、新潟市松浜にある建築事務所 アトリエnicoの羽ヶ崎章さん。
羽ヶ崎さんは、普段から交流をさせてもらっており、私の仕事の理念もご理解いただき、今回の運びとなりました。
そして、家具は、銅鍋づくり体験で木べらを販売させてもらっている、 Ojn Handmade Hutのワダヨシヒトさん。
どんな出来上がりになるのか、私自身楽しみな始まりです。

この家は、曾祖母さんの玉川シゲさんのもちものを、私が受け継いだ家。
若かりし父も、2階に住みながら仕事に励んだようです。
今までは、玄関を入って、右側に台所と今、1階奥の部屋が彫金場、その先に
鍛金場がありました。2階は資材置き場兼ベッドルーム。
混沌とした、生活と仕事。
生活と仕事の一体加減は良いと思うのですが、1階は仕事場、2階は住居部と分けてメリハリをつけ、打ち合わせなども1階で行えるように。

まずは、一般家庭の昭和を感じさせるシンクや戸棚の解体から。
解体しつつ、全体像を見ながら、寸法を確認してゆきます。

ガスなどの配管は、地元の業者さんにお願いし、フラットになって行きます。

ガスコンロを撤去したため、しばらくは、カセットコンロ生活。
熱伝導率の良い鎚起銅器は、カセットコンロでも、十二分に能力を発揮してくれて、こんな状況も楽しい時間になっています。

次回に向けて材料も運び込まれ、工房改装Part2に続きます。

先日、長野県東御市の問 touに寄せていただきました。
問 touでは、豆皿や盆などをお取り扱いいただき、数少ないお取り扱い店のひとつとして長野でも実際に触れていただける場所。

問 touは、ギャラリーや本の販売と共に、カフェを併設されており、このカフェは、近所のツバメコーヒーさんがデザインに関わっておられ、コーヒー豆もオリジナルの問 touブレンドで提供されています。
そして、そのお湯を沸かす器も、開店の際に製作させていただきました。

この大きな湯沸は、店主の平田さんからぽってりとした沖縄のパナリ焼のイメージをいただき、そのあたたかな姿を鎚起銅器で表現させてもらいました。

問 touは、同じ市内にある「わざわざ」さんの姉妹店として、非日常をテーマに、足を運ばれるみなさんに問いかけ、また、応え問いかけられる、そんな空間に設えられています。
非日常。
私も、仕事以外で、県外を訪れることは、ほぼないのですが、この長野県の問 touには、何とは無しに足を運んでみたくなる場所。

特に、何とゆうこともなく
美味しいパンにコーヒーと、新しい感性に触れる選書に、会いに行きたくなります。
そして、丁寧な日常をテーマにする、わざわざさんで買い物をして帰る。

ほんの時々、私の人生の楽しみのひとつです。
是非、ふとした時、背筋の伸びる問 touに、足を運んでいただけたら幸に思います。