日記

ものづくりやワークショップなどの様々な活動、
日々思うことなどを綴っています

緑青について

2019.01.08

日本各地を訪れ、銅器をお伝えする中で
緑青のご質問を受ける機会が多いので
こちらにも書かせていただきます。
以前は、緑青はその色などの影響でしょうか
猛毒と思われていた時期がだいぶあります。

しかし、昭和59年に東京大学の医学部が無毒を証明し
安全であることが確認されました。

「そもそも、緑青はなんなのか?」とゆうことですが
一言にすれば、銅の錆です。
寺社仏閣の屋根や大仏、アメリカの自由の女神なども
この銅の錆により、あの様な色になっています。
屋根に使われる理由としては、緑青は銅の保護膜となり
合金になることで硬くなります。

 こちらの画像は、一緒に働いていた後輩の作品です。
このように、緑青を出すこともあります。

「緑青は、何故発生するのか?」に関しては
汚れがついたまま、放置しておくと発生します。
ですので、花瓶などは時々、柔らかい布で乾拭きをしたり
銅鍋などは、お使いいただいた後に、洗った後に水滴を拭き取ってあげると
一番いいお手入れ方法かと思います。
特に、乾煎りしたり、油をひいておく必要はありません。

「もし、緑青がでたら?」
割り箸などで、擦りとってあげ、また使い続けていただけたら
銅の使い込んだ色は戻ってきます。
一番、有りがちな状況としては
桐箱に入っている銅器を、お客様の来られた時にだけ使い
汚れがついたまま、桐箱にしまいこんでおいて、緑青がでていた。
とゆう話しは、聞くことがあります。
一番いいお手入れは、日々使ってあげること。
鎚起銅器では、仕上げの際に表面を安定的に酸化させることで、あの色を出しています。

あの地の色があるお陰で、表面の艶やかさや深みは、一層増すことになります。
詳しくお知りになりたい方は、日本銅センターのHPをご覧下さい。

日本銅センターHP
http://www.jcda.or.jp/recruit/tabid/87/Default.aspx
古来から、人類と身近な銅器。
是非、使い込み、ご自身なりの色や風合いを楽しんでいただけたら幸いです。