緑青について
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日本各地を訪れ、銅器をお伝えする中で
緑青のご質問を受ける機会が多いので
こちらにも書かせていただきます。
以前は、緑青はその色などの影響でしょうか
猛毒と思われていた時期がだいぶあります。
しかし、昭和59年に東京大学の医学部が無毒を証明し
安全であることが確認されました。
「そもそも、緑青はなんなのか?」とゆうことですが
一言にすれば、銅の錆です。
寺社仏閣の屋根や大仏、アメリカの自由の女神なども
この銅の錆により、あの様な色になっています。
屋根に使われる理由としては、緑青は銅の保護膜となり
合金になることで硬くなります。
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こちらの画像は、一緒に働いていた後輩の作品です。
このように、緑青を出すこともあります。
「緑青は、何故発生するのか?」に関しては
汚れがついたまま、放置しておくと発生します。
ですので、花瓶などは時々、柔らかい布で乾拭きをしたり
銅鍋などは、お使いいただいた後に、洗った後に水滴を拭き取ってあげると
一番いいお手入れ方法かと思います。
特に、乾煎りしたり、油をひいておく必要はありません。
「もし、緑青がでたら?」
割り箸などで、擦りとってあげ、また使い続けていただけたら
銅の使い込んだ色は戻ってきます。
一番、有りがちな状況としては
桐箱に入っている銅器を、お客様の来られた時にだけ使い
汚れがついたまま、桐箱にしまいこんでおいて、緑青がでていた。
とゆう話しは、聞くことがあります。
一番いいお手入れは、日々使ってあげること。
鎚起銅器では、仕上げの際に表面を安定的に酸化させることで、あの色を出しています。
あの地の色があるお陰で、表面の艶やかさや深みは、一層増すことになります。
詳しくお知りになりたい方は、日本銅センターのHPをご覧下さい。
日本銅センターHP
http://www.jcda.or.jp/recruit/tabid/87/Default.aspx
古来から、人類と身近な銅器。
是非、使い込み、ご自身なりの色や風合いを楽しんでいただけたら幸いです。